続々とスタートした秋ドラマ、豊作すぎやしませんか? 開始前から期待の声が多かった『最愛』(TBS系)や、前クールの『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』に続いて、高評価の『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ系)などなど。GP帯の作品だけでも、網羅するのが難しいほどの良作揃い。そんな秋クールは、深夜帯のドラマにもぜひ観てほしい作品が多いんです。本当は「全部観て!」と言いたいところですが、忙しいみなさんのために、3作を厳選しました。見逃し配信をしている作品ばかりなので、気になったものがあれば、ぜひチェックを! まだまだ追いつけます!


大石静脚本で相葉雅紀の新境地?
『和田家の男たち』

 


金曜ナイトドラマ・毎週金曜夜11:15〜・テレビ朝日・TELASAで全話配信中

脚本家・大石静氏が描く男だらけの“令和の家族物語”。和田家は、息子(相葉雅紀)が、「ネットニュース記者」、父(佐々木蔵之介)が「テレビ局の報道マン」、祖父(段田安則)が「新聞記者」と三世代それぞれが異なるメディアに携わっているマスコミ一家。3人が織りなすほのぼのとした食卓シーンが見どころの一つで、SNSでは「食テロドラマ」とも言われています。

 

『マイガール』(テレビ朝日系)や、『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)など相葉雅紀主演ドラマは、温かい作品が多いですよね。(2015年放送の『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)にはゾクゾクさせられましたが……。)『和田家の男たち』も、一見ゆったりとした作品に見えますが、若干ミステリー要素が含まれています。優(相葉雅紀)の母・りえ(小池栄子)の死因に、何やら深い理由がありそうなんですよね。

りえは、優が10歳の時に、報道ニュース番組の後輩だった秀平(佐々木蔵之介)と再婚。つまり、優と秀平は血が繋がっていません。それでも、秀平と優は一見仲の良い親子に見えます。ただ、幼少期の優が、「お母さんはなんで死んだの?」と泣きじゃくった時、秀平は「家族でも言えない」と怖い表情で訴えていたんですよね。表面上は、取材中の事故が原因ということになっていますが、絶対に何か理由があるはず。時折登場する家族の肖像画も、不気味で……。ただほのぼのとしたドラマではなく、謎やスリルを散りばめるところに、大石氏の手腕を感じます。

さらに、本作の特徴はコロナ禍における生活様式を、当たり前のものとして描いているところ。会議中は、全員がマスクを着用していたり、結婚式でもフェイスシールドをしていたり……マスクをしているがゆえのキスシーン(第2話)も、ドキドキしました。元カノに、「なんで、そんなに話がつまらないの?」と言われて振られてしまった優ですが、ネットニュースを書く才能はあるようで……。ピュアな優の成長にも、注目していきたいです。