わたしはここに、充電器のたぐい、コンパクトやイヤホンなど、ばらばらと容赦なしにバッグの中に散乱する永遠の旅人をまとめていれた。
バッグの中で必ずぐちゃぐちゃになっていたポケットティッシュやハンカチもここの住人だ。
たかがポーチ。だけど、されどポーチ。
そもそも小さいバッグが多いせいで、このバッグには入るけどこれには入らないとか、
ガワだけが妙に立派で分厚くてスペースをとる割りには中身が大して入らないとか、
くすぶる婦人の気持ちに寄り添ってくれるこの人。
中身を少し減らせば小さくなるし、たくさん入れたければ柔軟に入る。
はぁ、完璧。
ねぇ、ピグミ(私の愛犬です)。
そうこうしていたら、わたしのバッグの中はとてもシンプルになった。
いまのふたつに、ちいさなメイクポーチを足したこの「神3」を、毎朝使いたいバッグに入れ替える。
あとは、その日に必要な友情出演者を加えたり、加えなかったりするだけ。
終わりなき旅かと思えたバッグの片付けもこれにていったん、終焉。
このバッグは妹に「それ、ピグミのクッション?」と聞かれたのですけど、めげずに持っています。
もちろん中身は「神3」です。
そして、
今週のお犬さまは、実家の父の犬ターボです。
14歳なのにいまだに散歩がヘタなターボ。
母が他界する2年前にやってきた彼は、母とは2年、父とふたりになって12年。
父の家族で相棒。
先を歩くピグミと甥はときおり立ち止まってターボ待ち。
てこてこてこてこてこてこ。
文/佐藤佳菜子
構成/高橋香奈子
前回記事「「食わず嫌いがおしゃれの幅を狭める」スタイリストが改めて気づいた大事な視点」はこちら>>
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