4月からN.Y.で撮影中の、ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の続編、「And Just Like That…」。SATC放送当時は30代だったヒロイン役のサラ・ジェシカ・パーカーや共演女優たちも、今や50代。そんな彼女たちの撮影風景写真がネットに上がるたび、「老けた」という心無いコメントがつくことに、サラ・ジェシカが「ミソジニー(女性嫌悪)だわ!」と批判しています。
自らがカバーを飾った米「VOGUE」誌12月号のインタビューでサラ・ジェシカは、「たくさんのミソジニー的なコメントが上がっているわ。男性に対しては決して起きないようなね」。
7月にパパラッチされた、人気司会者アンディ・コーエンとのランチ風景では、彼女が白髪混じりの髪の毛をひっつめていたことに、「彼女って白髪なの!?」とたくさんのリアクションがあったと言います。
「一緒にいたアンディ・コーエンも私と同じような白髪だらけの髪なのに、彼は魅力的だと言われるわ。なぜ彼ならOKなの?」
SNSでは特に、人々は批判的になるとも。
「『彼女はシワシワすぎる』、もしくは『彼女はシワがなさすぎる』、と、言いたい放題。まるで人々はありのままの私たちで満足することを求めていないように感じるわ。私たちに苦しんでいて欲しいみたい。私たちが自然に老いて完璧じゃない容姿になっても、自分が心地よくいるためにそれに抗うような何かをしたとしても批判されるんだもの。私は自分がどんな風に見えるかよくわかっているわ。私にはどうすることもできないのよ。どうすれば満足なの? 加齢を止める? それともいなくなればいいの?」。
私はサラ・ジェシカより少し下の世代ですが、彼女の悲痛な訴えはすごく理解できます。男性俳優はシワが増えても白髪になっても「セクシー」だなんて言われるのに、女優が老けると「劣化」だと批判する風潮はあるし、女同士の方が、年齢を重ねた女性の容姿に厳しかったりしますよね。若くて綺麗に見えれば「どうせ美容整形でしょ」、年相応ならば「老けた」と言われる。一体どういう年齢の重ね方をすればいいのか、本当にわからなくなります。
このドラマの制作総指揮を務めるマイケル・パトリック・キングも、続編制作が決定したときの人々の反応に対し、こうコメントしています。「人々は女性は35歳か、もしくは引退してフロリダに住んでいるかのどちらかしかないと思っていて、その間のチャプターは存在しないようだ」。
これは、続編ドラマがアナウンスされたときに、「ゴールデン・ガールズ」という、フロリダのシェアハウスで同居生活を送る高齢女性4人組を描いたアメリカの人気コメディドラマの劇中画像をSNSに投稿する人々がいたことに対する嘆き。これについては日本ではジェーン・スーさんも、ツイッターで共感コメントを投稿していました。J.Loやハル・ベリーなど50代のセレブが活躍している現代のアメリカにおいてでさえも、こんな固定観念が蔓延っているとは。
ミランダ役のシンシア・ニクソンは、このドラマが「老いつつある中高年女性をリアルに描いた、画期的なドラマになると思う」とコメントしていますが、その配信によって世の中の中高年女性のステレオタイプが塗り替えられることを、切に願いたい!
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