子供の頃から料理が大好きなアクセサリー作家・山本亜由美が、日々アトリエにこもって、知らない味や大好きな味の再現にトライする「食いしん坊レシピ」がスタート! 
あるときは1人で。スタッフや友人がいるときは2人で。
簡単で美味しくて、素材の組み合わせも楽しくて。
足したり引いたりが簡単なご飯をご紹介しようと思います。

 


簡単で美味しい! アトリエごはんレシピ集はこちら>>

 

18歳のとき夏休みが2ヵ月間あったので、家族4人分のご飯を作らせてもらうことにしました。
もともと小さな頃から料理が好きで、お菓子作りに夢中になったこともあるし、できる範囲でお手伝いやお昼ご飯を作ることもしていたので、「とりあえずなんとかなるだろう」と始めたご飯作りの最初の夕ご飯の献立を今でも覚えています。

<ある日の家族ご飯>
こんにゃくと長ネギのステーキ(4人で2枚)
人参のたらこ炒め(人参1本)
ごぼうのきんぴら(ごぼう1本)
ご飯
味噌汁(豆腐と焼きネギ)

全てが副菜というか、物足りない、量も足りない、全部炒め物、人参もこんにゃくも同じ切り方、焼きネギばかりで見た目もいまいちの夕ご飯となりました。
いまだに一番難しいのは献立作りだと思っていますが、家にある本を読みあさり、テレビの料理番組を見て考えに考えて作った献立がこれでした。
スーパーに行ってエビが安いからエビを使った料理にしよう、メインに合わせて副菜を決めよう、旬のものを取り入れよう、そんな思考回路は微塵もなく、ただただ、一生懸命料理した2ヵ月間でやっと見つけた「良い感じの献立」を作る方法が炊き込みご飯活用法でした。

炊き込み御飯を作ればそのものが華やかでメイン感もある。
ご飯の具材が決まれば消去法でおかずを決めやすい。

秋や冬は炊き込みご飯、よくつくったな。

大人になった今、私はシンプルな炊き込み御飯が好きになりました。
今回もそんな1品。


 

百合根と銀杏のご飯

 

材料(作りやすい量)

・米 2合
・水 2合
・百合根 1玉
・銀杏 30個
・昆布 1枚
・塩 小さじ1
・酒 大さじ1

作り方

1 米を洗い、ざるにあげ30分ほど置き水を切る。鍋に水と調味料、米と昆布を入れ30分ほど浸水させる。

2 百合根は鱗茎を1枚ずつはがしよく洗う。銀杏は殻と薄皮をむく。

 

3 2の具材を鍋に加え、蓋をして火にかける。最初は強火でグツグツと音がして湯気が蓋の隙間から出てきたら弱火にして10分。12〜3分蒸らし、昆布を取り出し出来上がり。

 

*昆布は出汁用の小さめのもの(15×3センチくらい)
*私は普段、羽釜かストウブ鍋を使用(今回は羽釜)していますが炊飯器でも。


私の好みは固めのご飯。
この数年はミルキークイン一択です。

羽釜や鍋で炊く方法も自分の好みにあった炊き方なので、お好みの炊き方に合わせて作ってみてください。
この炊き込みご飯は調味料も少ないので、口に入れた時まず百合根の優しい甘さが広がります。献立を作るなら、具の入っていない茶碗蒸しやお刺身などと合わせたいですね〜。
里芋の煮付けとか鶏治部煮なんかも良さそうです。じゅるる〜。

若かりし私は、こんな風に炊き込み御飯からメニューが広がることを覚えたのです。お財布も預けてもらい、1週間の食費を決めて毎日スーパーに行く学生時代の夏休みでした。

そして今、一人暮らしで1人前を作る難しさにまた苦しんでします。
4人分の方がいい。1人前は面倒臭いです。

おまけ<銀杏の殻剥きについて>

 

こちらが私のおすすめ銀杏の殻を割る道具です。
ぱかっと割れて気持ちいいのです。
薄皮はそのまま剥けるものもありますが、ぬるま湯にしばらくつけて指でこするとペロリと剥けますよ。

撮影・文/山本亜由美 構成/藤本容子


前回記事「味変の神! 青唐辛子の酢漬け。と野菜のジョン【レシピ】」はこちら>>