家族といい関係を築くために大切なこと4:恥ずかしがらずに愛情を示す


日本の家族は、子供が大きくなるにつれて、「大好き」とか「愛しているよ」と言い合うことは少ないかもしれませんが、言葉でなくてもいいので、きちんと愛情を示すことは大切です。
私自身、学生のときに親が離婚していますが、私が愛情不足にならなかったのは、父も母も私にダイレクトな言葉で愛情表現をしていたからかもしれません。それが、今思うと、とても心強い思いをさせてくれていたのだと感じます。何かあったら、必ず自分の味方になってくれる存在がいると思えたからです。
私自身も、父の日、母の日、そして誕生日のときに贈り物をしたり、別々に暮らし始めてからは、時間が出来た時は会いに行ったりしています。そういう行為によって親は、「自分は子供に愛されているのだ」と安心し、心が安定しているところがあるような気がします。

 

とはいえ、うちの場合はちょっと特殊で、私は父と母それぞれと折り合いがつかなかった時期があり、一時期は絶縁を覚悟して音信不通になったことがあります。私自身、「このまま傷つけ合うなら、もう二度と会えなくなっても構わない」と思っていました。
それでも乗り越えられたのは、許したほうが精神的に楽になれると思ったからです。親との関係がうまくいっていないときは、ずっと心の奥底が傷ついてしまっていたのです。
今でも、ふと思い出しては腹の立つこともあるのですが(苦笑)、それでも、「“あの頃の親”もいなければ、“あの頃の自分”もいない。今いるのは、“今の親”と“今の自分”だけ」と思って、水に流すようにしています(※それは、お互い様なところもあるとは思いますが)。
人は成長し、変わります。今はうまくいかなくても、時間が経って、成長し合った状態で会うと、また関係がうまくいくこともあります。
幸せでいるためにも、「今が良い関係なら、OK!」と思って、水に流すことは大切。もちろん同じことを繰り返さないためにも、これまで色々と学んだことを生かし、「“そういう人”だ」と思って、自分のほうがうまく対応することを心がけるようにしています。

多くの人が、親に、そして子供に認められたいし、愛されたい。そして、たとえ絶縁したとしても、家族の存在は、自分の心の柔らかいところを刺激する“重要なもの”になり得る。それって、何なのだろう? と思うのです。
もしかしたら、家族は、自分とは違う人間だけど、確実に「(見えない何かで)つながっている」と感じる存在なのかもしれません。だから、相手の痛みが自分の痛みになるし、相手が幸せだと、自分も幸せを感じますしね。
家族は、一番愛情深くて、一番難しい関係といっても、過言ではありません。できることならいい関係を築きたいものです。
 

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