恐れの感情を抱いてしまうと、冷静さを失い、誤った言動をしがちです。だからといって、恐れを全く抱かない人も危なっかしいので、自分の恐怖心をうまくコントロールする必要があります。
自然と湧き出てしまう「恐れ」の感情と、上手に付き合っていく秘訣は何でしょうか。


「恐れ」との付き合い方1:「恐れるべきもの」とそうでないものを分ける

 

世の中には、「恐れたほうがいいもの」とそうでないものがあります。例えば、落ちたら大けがをしてしまうくらいの高所で、命綱なしで渡らなくてはいけない場合は、油断したら危険なので、ある程度、恐怖心を抱いて、慎重になることは大切です。
逆に、必死に婚活している人が抱きがちな恐れ……「結婚できなかったら、不幸になる」といった恐怖は、必ずしも独身でいたら不幸になるわけではないので、あまり抱かなくてもいいものかもしれません。
「恐れる必要がないもの」に関しては、たとえその“恐れている状況”になっても、不幸にならない解決策はあるので、色々な選択肢を持てるようになることが大切。「さまざまな解決方法があること」を理解できたら、恐怖心が薄れてくるものでしょう。

 

そもそも、どうして恐れの感情は、むやみに抱かないほうがいいのでしょうか? それは、恐怖心を抱いていると、「幸せに向かった言動ができにくくなる」からです。
例えば、人に裏切られることを極度に恐れている人は、本来は信じるべき相手であっても、心を許すことができません。そうすると、いい関係を築けなくなってしまうでしょう。
それでいうと、人が争うときは、“自分や大切なものを攻撃される恐れ”が原因であることが少なくありません。相手への憎しみよりも、自分を守るために戦うことのほうが多いのです。
もしお互いが、「相手は、私や私の大切なものを傷つけるようなことはしない」と信じることができたら(=恐れを抱かずにいられたら)、争いごとはしないどころか、お互いが向上し合えるような関係を築くことだってできるのかもしれません。

さらに、「私には、問題に対応する力がない」と恐れていると、本当は向き合えるだけの能力があっても逃げてしまいがち。それで状況をもっと悪化させてしまうことがあります。
つまり、恐怖心がなければうまくいくようなことでも、それがあることで悪い方向に向かってしまうことがあるのです。
だから、「恐れたほうがいいもの」とそうでないものを、きちんとジャッジできる冷静さを持っておいたほうがいいでしょう。

多くの人が恐れることは何かといえば、「大切なものを失うこと」です。その恐怖心とは、どうやって向き合えばいいのでしょうか。次のページで紹介します。

次ページ▶︎「大切なものを失う恐れを抱いたときは?」について

【漫画】彼女が「恐れ」に負けなかった秘訣
▼右にスワイプしてください▼