薬が合わないからと勝手にやめてはダメ


薬のことはかかりつけ医と薬局に任せていればいいのかといえば、そんなこともありません。かかりつけ医と薬局に絶大な信頼を寄せていたとしても、第三のチェック機構として、しっかり患者さん個人あるいは患者の薬を管理する家族が機能することも大切です。

かかりつけ医も薬局も、日々の体調の変化までを観察しているわけではありません。それができるのは、患者さん個人に他なりません。体調に変化が起き、その変化が薬と関連しているかもしれないと初めに気がつけるのは患者さん本人です。

薬手帳も忘れずに。薬の飲み方はチームプレーで工夫しよう【医師・山田悠史】_img0
 

しかし、そう感じた際に思い出していただきたいのが、「医療はチームワークである」ということです。ここで、「薬と関連している可能性が高いからやめてしまおう」と自分自身でやめることを判断してしまうと間違うことがあります。

 

医療は、水泳や短距離走のような個人競技ではなく、サッカーや野球のようなチーム競技なのです。水泳なら、自分の判断で「ここからスパートをかけよう」などと決めることしかできません。しかし、サッカーや野球などのチーム競技はチームメイトあってのスポーツですから、「こういう戦略で戦おう」としっかりとコミュニケーションをとり続けることが大切でしょう。

同じように、医療でもチームプレーをしている以上、自己判断で勝手に決断を下すのではなく、薬局やかかりつけ医といったチームメイトにしっかりとコミュニケーションをとり、こういった時にはどうするのが最適かと話し合うことが大切です。

その問題が専門的で難しければ、「餅は餅屋に」と専門家に任せるのもいいかもしれません。いずれにせよ、コミュニケーションをとることが最も大切なアクションであると忘れないようにしなければなりません。

また、チームプレーは、副作用の際に限らず発揮することができます。例えば、チームプレーによって薬の飲み方に工夫ができたという例を考えてみましょう。

 
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