売り上げたお金で買ったのはスタンスミス


どんなにデザインが好きで、値が張ったものだとしても、ほんのちょっとでも「重たい」と感じた記憶があるものについては、今なら迷いなく手放せる。また、実際の重量に加えて、見た目にゴロッと重そうなものより、シュッとしていたりサラッとしていたり、なるべく軽やかな印象のほうを選びたい、ということもわかってきた。 

たとえば先日も、黒いニューバランスのスニーカーを手放し、代わりに白のスタンスミスを買った。単にモノを減らしたい断捨離ではないので、手放すばかりではなく、新しく買うものもある。

「靴の整理」で知る今の自分。メルカリ後に残ったのは、“歩いて帰れる靴”だけ_img0
キャンバスのスニーカーはカジュアルすぎる、ハイテクスニーカーは似合わない、とふるいにかけていったら、最後まで残るのがスタンスミス。 誰かが履いているのを見ても、「やっぱりいいな」と思う。

その黒いニューバランス、買ったときはスニーカーというカテゴリーにもかかわらず、たしか税込3万円もしたし、靴だけ見れば、とってもカッコよかった。がしかし、わたしが履くと、なんとなく足元がゴロンと見えるのがだんだん気になってきてしまい、最近すっかり履かなくなっていた。それをメルカリに出品してみたらすぐに売れたので、その売り上げとほぼ同じ金額の新品のスタンスミスを買ってみたところ、「そうそう、求めていたのはこの感じだったのよ」という足元になった。 

 

ニューバランスとスタンスミス、購入価格には約3倍の開きがあったが、今のわたしには、白いスタンスミスのほうがいい。うれしくて、最近は出かけるとなると、ついこのスタンスミスを中心にコーディネートを考えてしまう。スタンスミスは、約 20年前も大流行していて、20代だったわたしもブームに乗ってよく履いていた。でも、なんだか今のほうがしっくりくるし、この靴の魅力がわかる。実は大人のスニーカーだったのかも、と思うと、再び自分の下駄箱に並んでくれている姿が、また感慨深い。