日本人はビタミンの多くが足りている
サプリメントの位置付けについて整理をしましょう。
サプリメントの使用は、特に高齢者に多いことが指摘されています。ある米国での研究では、4人のうち3人が1つ以上の処方薬とともに1つ以上のサプリメントを日常的に内服していたと報告しています(参考文献1)。年齢とともに健康への意識が高まることの表れかもしれません。
では、本当にサプリメントに健康への効果はあるのでしょうか。
まず、サプリメントはその言葉が持つ意味として、「補充、補足」という意味合いがあります。ガソリン満タンの車にさらにガソリンを補充する人がいないように、不足しているからこそ「補充」するのであって、満タンなのに補充する意味はなさそうというのは直感的にお分かりいただけるかもしれません。
では、サプリメントの代表格であるビタミンの不足は実際にどの程度起きているのかといえば、日本人の場合、必要なビタミンの多くが「足りている」というのが答えになります。コンビニでも、居酒屋でも、普通に食事をとっていれば、一般的にビタミン欠乏の問題が起きる可能性は極めて低いと考えられています。
そのなかで唯一、欠乏のケースが多く報告されているのが、「ビタミンD」です(参考文献2)。こういった背景から、ビタミンDを補充しているというのは不自然ではないかも知れませんが、もしビタミンBやCを「補充」しているならば、それは不足のないビタミンの補充かもしれません。
いや、それでも「ビタミン◯は体に良いって言われているじゃないか」と反論をいただきそうですが、本当のところはどうなのでしょうか。
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