ミモレで2021年に公開された記事のうち、特に人気があったものをご紹介します。よろしければぜひご一読ください。

長かったおうち時間を活かして、家の中の不要なモノを思い切って処分した! という方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。でも、自分のモノとは潔くお別れできても、家族のモノまでは勝手に手出しできませんよね。快適な暮らしを送るために「できれば捨てたい」と考えている家族のモノたちとは、一体どう向き合えばいいのでしょうか? 

その方法を教えてくれるのは、断捨離の第一人者・やましたひでこさん。やましたさんは家族のモノを通して、自分や家族の内面に目を向けることの大切さを説きます。今回は著書『モノ・人・心の悩みが消えていく 断捨離道場』から、やましたさんの元に寄せられた家族のモノにまつわる3つのお悩みと、やましたさんの回答をご紹介します!

 


【お悩み①】夫のコレクションに苦しめられています


<ご相談>
夫が趣味で集めたプロ野球グッズのせいでスペースが圧迫され、悩んでいます。広い家ならどんなに増えても気になりませんが、我が家は狭いマンション暮らしです。自分には価値が分からないモノばかりであることも手伝って、憂鬱で仕方がありません。言い争うのにも疲れました。私が間違っているのでしょうか?

 


<やましたひでこさんの回答>
質問文から、今にもモノに押しつぶされそうになっているあなたの心の叫びが聞こえてきました。自分には理解できないご主人のコレクションで占領された住まいは、文字通り「息が詰まる」空間なのでしょう。

私が運営している断捨離塾の受講生さんの中に、あなたと同じ悩みを抱えた女性がいました。彼女の夫は、自分の趣味のモノとあらばのべつまくなしに買い求める生粋のコレクター。外に倉庫を借りても収まりきらず、家中にコレクションがあふれ返っていました。

ダンシャリアンである彼女は夫に断捨離の提案をしましたが、聞き入れてくれるどころか「僕には無理な思想だ」とますます頑固に。それからというもの、夫は以前にも増してモノを買い求めるようになりました。

それでも諦めなかった彼女は、夫の趣味のモノを全肯定し「絶対に捨てないから、あなたの部屋を素敵な書斎に生まれ変わらせてください」と嘆願。そして趣味のモノを分別し、一番のお気に入りを壁面収納で素敵にディスプレイしたのです。

それと同時に、多すぎるモノや使っていないモノを一時的に預かる「家庭内保管サービス」というアイディアを考案。その結果、夫の方から「これほどの量は要らないから手放すよ」と言い出すまでになり、かなりの量を減らすことができました。

ここでのポイントは、夫のコレクションを「私は決して好きではないし興味もないけれど、あなたはそれが大事なのね」と「尊重」したこと。そして、彼が管理できないモノを預かり、使う時はすぐに出してあげるという「安心感」を与えたことです。