臓器も年齢とともに変化する


年齢とともに、各臓器の機能は変化をしていきます。誰もが見た目に少しずつ歳をとるように、臓器も歳をとります。

しかし、外見の変化に大きな個人差があるように、臓器の変化にも個人差があります。また、同じ個人の中でも臓器ごとに変化の速度が異なることもよく知られています。遺伝子に刻まれた情報、選択したライフスタイル、喫煙や大気汚染といった環境など、多数の要因の影響を受けて、臓器ごとの老化のスピードというのは変わってくるのです(参考文献1)

加えて、年齢とともに各臓器が病気や体の変化の影響を受けやすくなるということも知られています。

例えば、20歳で極度の脱水に陥り腎臓の機能が一時的に低下したとしても、水分補給によって腎臓は元の機能にまで回復する可能性が高いです。しかし、80歳では一度の脱水でも腎臓はダメージを受け、十分な水分補給をしても同じレベルには戻れない可能性が高くなります。こうして、年齢とともに病気が重なりやすくなるのです。

 

さらに、細胞がミスをしたり、ミスを修復する機能も衰えたりすることが知られています。それによって、細胞が「がん」化してしまい、年齢とともにがんという病気を発症する確率も高まります。

 

では、このような変化が実際の臓器ではどういう影響をもたらすのか。ここからは、代表的な臓器の年齢による変化をご紹介していきたいと思います。