子供の頃から料理が大好きなアクセサリー作家・山本亜由美が、日々アトリエにこもって、知らない味や大好きな味の再現にトライする「食いしん坊レシピ」がスタート!
あるときは1人で。スタッフや友人がいるときは2人で。
簡単で美味しくて、素材の組み合わせも楽しくて。
足したり引いたりが簡単なご飯をご紹介しようと思います。
漫画家一条ゆかりさんの超ヒット作『有閑倶楽部』の中に出てくるマキシムドパリのナポレオンパイ。子供の頃に憧れた味を銀座ソニービルのマキシムドパリで食べたのはいつだったか。
あの大きな大きなナポレオンパイはしっかりずっしり食べ応えも十分で、実は全部食べるのがちょっと辛かった。
私の好みとしてアップルパイなら酸味でたくさん食べることが出来るのだけど、生クリームを使ったパイは胃にもたれるのかたくさんは食べれないことを知りました。
だから、自分でつくるなら小さくさっぱりと、冷凍のパイシート1枚で食べきりサイズに、が基本となりました。
さらに友人の菓子料理研究家の若山曜子さんに冷凍パイシートの美味しい焼き方のコツを教えてもらってから、パイがとっても気軽なものとなりました。
以前インスタグラムにそのことを書いたら、コツを教えて欲しいとのコメントをたくさんもらい、若山さんに聞いたら「本にも載せているから、いいよー」とのことだったので、今回そのコツをご披露します。
コツは「天板を2枚重ねてパイシートを間に挟んで焼く」、それだけなんです。
*天板は備え付けのものをお使いください。
オーブンの種類によっては天板を2枚重ねて焼けない場合もあります。
・パイの焼き方
材料(作りやすい量)
・冷凍パイシート 1枚
(材料がバターと小麦粉のみを使用したもの)
・クッキングシート 2枚
・オーブンの天板 2枚
作り方
1 オーブンを180度に予熱する。
2 パイシートをクッキングシートの上で解凍し、フォークで穴を満遍なく開けたら3等分する。
3 天板のうえに2を乗せ、さらにそのうえにクッキングシート、もう一枚の天板を重ねる。
4 180度のオーブンで約30〜40分、様子を見ながら焼く。
天板を重ねることで膨らみすぎず、全体に加熱できるためカリカリのパイが焼き上がります。温度は我が家のコンベクションオーブンはムラがあるため180度にしていますが、大型オーブンをお使いの方はもうちょっと低めかもしれません。ご自宅のオーブンに合わせて様子を見ながら焼いて見てください。
5 さらに香ばしくするときは粉砂糖を振りかけて200度で5分ほど焼きます。砂糖が溶けて表面がパリパリとキャラメリゼされるのでそれだけで美味しいパイになります。
(5の行程はなくとも十分美味しいですよ。)
・パイの盛り付け
材料
<カスタードクリーム>
・卵黄 2個
・三温糖 40g
・牛乳 160cc
・小麦粉 15g
・コーンスターチ 5g
・バター 15g
・グランマルニエ 適量
・イチゴ お好きなだけ
・アーモンドスライス 40g
作り方
1 卵黄と三温糖を泡立て器で白っぽくなるまで混ぜたら、ふるった粉類を加え粘り気が出ないよう混ぜ合わせる。
2 90度に温めた牛乳を少量づつ加えて溶きのばし、残りの牛乳も加えよく溶きのばす。
3 2を鍋に入れ弱めの中火で温め、鍋肌からすくうようにゴムベラで優しく混ぜる。とろみがついたら火からおろし泡立て器でよく混ぜ、また火にかける。
4 ふつふつとしてもったりしてきたら火からおろし、バターを加え泡立て器でよくかき混ぜ、さらにグランマルニエを加え滑らかにする。
5 クリームはバットに移すなどして急ぎ冷まし、ラップでぴったり包み保管する。
6 アーモンドスライスは190度のオーブンで5分焼いておく。
7 パイシートの上にカスタード、イチゴ、カスタード、そしてまたパイシートと順番に重ねる。最後にゴムベラで隙間にクリームを埋め、アーモンドをたっぷりを付けて出来上がり。
*形成する時サランラップを使って整えながら作ると簡単です。また出来上がってすぐは柔らかいため、サランラップで全体をぴっちりと包み、冷蔵庫で数時間置いてからお召し上がりください。
盛り付けはいつもドキドキです。
クリームを絞り出し袋に入れれば、綺麗にできるけれど手間を省きたい私。
あれこれするうちにカスタードがいろいろな場所について汚くなる。
でも大丈夫なんです。
そのためのアーモンドなんです。
いざとなったら多めのアーモンドを焼いて全面に貼り付けちゃえば良いのです!
ぜひおおらかな気持ちで作ってみてください。
おまけ
今回は透明なコアントローではなく琥珀色のグランマルニエを使いました。
砂糖に三温糖を使っているのですでに薄茶色のカスタードになっているのもありましたが、一条ゆかりさんの有閑倶楽部といえばグランマルニエですもんね!
色よく作りたい方は砂糖はグラニュー糖、お酒は透明なコアントローやキルシュなどを使うとよいと思います。
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