周囲の力を上手に借りてループを抜け出そう
ネガティブな思考にしばられていないか、自分で意識的になることも大事ですし、周囲の力も上手に借りてください。思考のループって一度おちいると自分ではなかなか抜け出せなかったりするんですよね。
「ねぇ、私って、『どうせ』『なんか』『絶対』とか言ってる?」
こんなふうに周りの家族や友人に聞いてみてもいいかもしれません。今はオンラインでも気軽に受けられるキャリアカウンセリングサービスがたくさんありますから、そういったプロの力を借りて自分を客観視してもいいのではないでしょうか。
「『どうせ』『なんか』『絶対(無理)』」から「『きっと』『私も』『できる』」へ、言葉を転換していきましょう! どこかネガティブな思考にしばられていると感じたら、自身を客観視する習慣を持つといいですね。
そして世の中に『絶対』はないことも知ってほしいです。特にキャリアは非常に可変的で、最近は特に多様で柔軟なものになってきています。
コロナで変化が加速した働き方。『絶対』はない
私もいま43歳ですが、私たちが大学を卒業して就職したころとは何もかも一変しています。特にコロナが変化を加速させました。
フリーランスやリモートワークで働く人が増えましたし、会社員をしながら副業フリーランスとしても活動中、なんていう人もめずらしくなくなってきました。終身雇用や年功序列などこれまで当たり前だった働き方がどんどんアップデートされています。逆に言えば、チャレンジできる幅は広がっているのです。
先日、お話を伺ったのは地方都市に住む50代の女性。コロナで現職での将来性に不安を抱き、未経験からウェブ広告の運用スキルを学んでリモートでのお仕事獲得へとキャリアチェンジを考えているとのことでした。
配偶者の転勤帯同などで離職期間が16年にものぼる方が再就職されたこともあります。いまは著名なIT企業で生き生きとお仕事をされています。
たしかに一般的に離職期間が長くなればなるほど、再就職は難しくなります。でも、思い切って勇気を出して一歩を踏み出すことで必ず未来は変わっていきます。再就職を支援する取り組みを通じて、離職期間5年、10年、あるいはそれ以上の40代・50代の女性たちが再就職を叶えた事例をたくさん見てきました。
誰でもみなさん最初は自信は持てないし、「私なんて……」「私なんか……」といった言葉が出てきます。でも再就職講座に参加されて他の受講生とふれあっていくうちにどんどん前向きになっていきます。表情やふるまい、それこそ言葉も変わっていくんです!
誰だって変わることに遅すぎることはないし、今日、いまこの瞬間から変わっていけるんだと実感しています。
私は新しいキャリアの可能性に踏み出すのって運動に似ていると思うんです。「運動……?」って、ちょっとピンとこないかもしれませんが、運動ってウォーキングもランニングも最初の一歩がちょっと重いじゃないですか。だけどその一歩を踏み出して歩いたり走ったりしていると、だんだん体がホカホカしてワクワク楽しくなってきますよね。そんなイメージで、自分らしいキャリアへ向けて最初の一歩を踏み出していっていただきたいです。
(※1)「The Multiple Dimensions of Gender Stereotypes: A Current Look at Men’s and Women’s Characterizations of Others and Themselves」(2019)
前回記事「「45歳定年制」が波紋...40代が陥りやすい「キャリアの停滞」をどう乗り越える?」はこちら>>
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