慢性疾患は症状を感じない場合もある


複数の病気にかかった場合、どのようなことが起こるのか見ていきましょう。

安定した慢性疾患が3つや4つ重なった場合には、体に感じる「体調」としては必ずしも大きな変化は感じられないかもしれません。もちろん、それに応じて飲まなければならない薬の数というのは増えますし、病気によって食事制限を含む生活上の制限が出てくるかもしれません。

例えば、腎臓の病気があるとカリウムやタンパク質の制限が必要になることがあり、心臓の病気があるとナトリウムの制限が必要になることがあります。あるいは糖尿病があれば、糖質制限も必要かもしれません。このように、食べるもののバランスをとるのが難しくなってくるケースが考えられます。

 

また、病気によってはかかりつけ医だけでなく、心臓の専門家や腎臓の専門家など、複数の外来を定期的に受診しなければならないかもしれません。そうすると、場合によっては、月に2回、3回と病院を受診する必要が出てくるかもしれません。

腎臓が悪化し、透析治療が必要になれば、週に3回必ず病院に通院しなければならないという事情も生じることになります。

 

こういったことから、生活上の制約を受けることは多くなるかもしれませんが、日頃感じる「症状」としてはあまり多くないかもしれません。

しかし、病気が重なることにより病気の治療が難しくなる場合もあります。

 
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