人生を変えてくれた愛犬との暮らし


「そんなわけですっかり閉じこもりがちになってしまったのだけれど、あるとき犬を飼うことになったの」
黒のラブラドール・レトリバー。アドベンチャーから「アド」と名付けられたやんちゃな犬が、チェリーさんを再び外の世界へと誘い出しました。
 
「アドくんと散歩に行くときは、流行や人の目なんて気にせず自分の好きな恰好でいいわけ。日本中の温泉を巡ったり、山の中に分け入ったり、とにかくアドくんが喜ぶようなところにどんどん出かけて行くようになりました。こう見えて、私、アウトドア派なのよ(笑)
おかげで、より自然を愛することができるようになったことも大きいと思います。木の葉一枚がいとおしく、バラよりも野花に心を惹かれ、蔓を見るとリースを作ってみたくなり……。精神的に満たされることで、少しずつ変わっていきました。更年期の症状から解放されたのは、アドくんのおかげだわ」

「まあ、いたずらで。小さいときは私の脚にしがみつくものだから、いつも血だらけだったわ。大きな犬だったので、走らなきゃいけないでしょ。私、アドくんのおかげで2回骨を折っているんです。でも、子育てと同じね。食事も一生懸命作りましたよ。ものすごくきれいな犬に成長してくれて、嬉しかったわ」
時代は移り、チェリーさんは停滞していたおしゃれへの前向きな気持ちを徐々に取り戻していきました。

「人に会いたくない」朝から夜まで同じ場所に座っていた、苦しかった40代のこと【マダム・チェリー】_img0
自然の中に出かけていった51歳の時のスナップ。

「あの頃の自分に声をかけるとしたら、『もっと心が自由だったら、幸せだったのにね』と言ってあげたいわ。でも思うの。ああいう苦しい時期があったから、今は自分の好きなスタイルで生きて行こう!と確信できたのだと。自分を大切にすることが、何よりの自信につながります。40代も、私にとっては大事な勉強の時期だったのね」

 


マダム・チェリーのファミリーやライフスタイル、おしゃれのコツのお話は、著書『マダム・チェリーの「人生が楽しくなるおしゃれ」』(講談社)もぜひ参考にしてみてくださいね。

「人に会いたくない」朝から夜まで同じ場所に座っていた、苦しかった40代のこと【マダム・チェリー】_img1

『マダム・チェリーの「人生が楽しくなるおしゃれ」』
マダム・チェリー 著 講談社刊 

「老化は進化よ!」 70代でモデルになり、そのおしゃれも評判のマダム・チェリーが、毎日の着こなしをたっぷりと紹介! 年を重ねた今だからこそ似合う服やコーディネート、グレイヘアの育て方やアレンジ術など、人生後半のおしゃれを楽しむコツが満載です。

撮影/目黒智子
取材・文/河合映江
構成/松崎育子(編集部)

 

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