根本的に大切な道理を学ぶには?


根本的に大切な道理を知っておくと、“人生の道標”になります。私自身は、それを孔子の『論語』で学びました。
『論語』は、色々な経営者が人生の指針にしていて、あの渋沢栄一さんも深く学んだと言われています。私は今までさまざまな人が解説した論語の本を読んできましたが、実は、初めて手に取ったものは、子供向けの論語の本『絵でわかるかんたん論語』(著:根本 浩、イラスト:ナガイ トモコ/金の星社刊)でした。
子供向けとはいえ、“物事の神髄”をきちんと伝えた本なのです。

例えば、次のようなことが紹介されています。

<子曰く、「~己を知ること莫きを患えず、知らるべきことを為すを求む。」

孔子先生が、おっしゃった。
「自分を認めてくれる人がいないことを気にしないで、しっかり行動しようと心がけることだ。」>

人から評価されることばかりを求めないで、自分に与えられた役割(使命)をしっかり果たすことは大切。人の評価ばかり気になってしまう人ほど、心がけたいことです。
例えば仕事では、上司の顔色ばかり気にするのではなく、その先にあるお客様の顔を想像して、仕事に集中したほうがいい結果になることもあるものです。

 


対人関係の参考になる論語


論語には、「対人関係」に役立つ内容も色々と書かれています。

<子曰く、「人の己れを知らざるを患えず、人を知らざるを患う。」

孔子先生が、おっしゃった。
「人が自分を知ってくれないことではなく、自分が人を知らないことを気にすることだ>

多くの人が「自分のことを分かってほしい」と思いがちですが、まずは自分が相手を理解しようとすることが大切だということです。これは、“対人の基本”かもしれません。
恋愛においても、自分のことばかりアピールするよりも、相手の良き理解者になったほうが、相手のハートをつかみやすくなるでしょう。

<子曰く、「巧言令色、鮮なし仁。」

孔子先生が、おっしゃった。
「うまいことばかり口にする人や、うわべのかっこうばかりつける人は信用できない。
実は、そういう人には本当の思いやりの心が欠けている。>

以上『絵でわかるかんたん論語』(金の星社刊)より引用


口先だけの人には気を付けたほうがいいもの。いつの時代にもこういう人はいたのですね(苦笑)。
行動が伴っていない相手にダマされる人は意外といますが、そういう人ほど、「耳をふさいで相手の行動を見る」ようにしたほうがいいでしょう。

この本は、子供向けでありながらも、大人の私たちが読んでも、「なるほど!」と思わせる内容です。それはやはり“普遍的に大切なこと”を伝えているからなのでしょう。
大人になると、世知辛い社会に揉まれ、時に自己を見失ってしまうこともあるからこそ、『論語』を読むことで気付かされることがあるのです。

ただし、人生に迷ったときのヒントが何でも『論語』に書かれているわけではありません。そんなときに役立つ「物事の判断をするときの指針にするといいもの」があります。次のページで紹介します。