GSMは「ガールズ・シモ・モンダイ」? 閉経後によくあるフェムゾーンのトラブルとは_img0
 

先日『セックスにさよならは言わないで 〜悩みをなくす腟ケアの手引き』とちょっとドキッとする書名の本が刊行されました。ここでいう「セックス」とは何も挿入を伴う性行為だけではなく、死ぬまでずっと自分のセクシュアリティを大切に生きることを意味しています。中身はとてもまじめな医学的な内容で、フェムゾーン(腟と外陰)にまつわる不快な症状である『GSM』の予防や治療をわかりやすく解説している実用書。長い人生をより楽しく、美しく、そして豊かにしたい方たちへのエールが込められています。


50歳以上の女性の2人に1人が悩んでいる!


「GSM (Genitourinary syndrome of menopause)」とは、女性ホルモン低下によって起きる、フェムゾーンのさまざまな不快な症状をまとめた病名です。日本語では「閉経による性器尿路症候群」。小難しい感じの呼び名ですが、ある意味ストレートな表現とも言えます。

というのも、GSM の主な症状は3 つ。
・腟と外陰の不快感(ムズムズ・かゆみ・痛み)
・尿のトラブル(頻尿・尿もれ・再発性膀胱炎)
・セックスのトラブル(痛みや出血など)

かつては女性特有の老化現象とスルーされてきた症状群が、2014 年に女性ホルモンの減少で引き起こされる「病気」だとわかり「GSM」と名付けられたのです。

本書では、泌尿器科医専門医・関口由紀先生が、日本ではまだあまり知られていない「GSM」 のセルフチェック方法から、簡単に実践できるセルフケアのノウハウ、医療機関を受診した際の最新治療法までを解説。さらに、人生の質を左右する性ホルモンの基礎知識や最終章のGSM の不快な症状から解放された患者さんのリアルな声も紹介しています。

 


ベストセラー『ちつのトリセツ』の著者・原田純氏のプロデュース


原田氏は『ちつのトリセツ』では東洋医学的なアプローチでのちつケアで、実感したさまざまな変化を綴っています。お尻は上がり、悩んでいたX脚が改善。その後はパートナーに巡り合い、20年以上のセックスレスにさよならしたというのです! けれども、その時に東洋医学だけでは改善できなかったフェムゾーンのトラブルがありました。そこで、泌尿器科医の関口先生とタッグを組み、西洋医学の知識を発信したいと本書が誕生しました。

私はライターとしてお手伝いさせていただきましたが、英文字の短縮ワードはとても苦手……。いつも「GSM」なのか「GMS」なのか混乱する始末で、心の中で「ガールズ・シモ・モンダイ」、と唱えて覚えました。
人には相談しにくいシモの悩みがあると、毎日がなんとなく憂鬱になってしまいます。痛いのも痒いのもおしっこがもれるのも防ぎたい! 放置していたフェムゾーンを意識してケア&治療をしてみると、目からウロコ。悩みから解放され、新生活を手に入れられる期待が高まっています。


セクシャルに生きるかどうかで、健康寿命は変わってくる!?


人生100 年時代に近づきつつあります。欧米では、中高年になっても、セックスは男女関係を築く上で重要な要素です。それにもかかわらず、日本では65 歳以上でセックスしている女性はわずか10 〜30%。関口先生は、セックスするしないにかかわらず、「性的意欲」と「生きる意欲」は相関していると、臨床の現場で目の当たりにしてきたと言います。
繰り返しになりますが、本書でのセックスは「性行為」そのものではなく、「自分のセクシュアリティを意識する重要性」を意味しています。

「自分が好意を抱いた相手によく見られたいために、自分のセクシュアリティを磨く努力が、人生を最後まで楽しむためには必要です」(関口先生)
「年をとったからといってセックスの話をタブーにしたくない。簡単に言えばモテたいとう気持ちが大切。いくつになっても恋愛ができるカラダとココロでいることは、健康と若さを保ち、生きるエネルギーになります」(原田氏)

確かに、誰にも見られていないし、誰にどう思われてもいいと生活している私は、だらしなく年をとっています。セクシュアリティを完全に放り投げている自分を見直すべきなのかもと、思い始めました。人生のネクストステージを輝かせるための行動変容を起こすきっかけになれば幸いです。

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関口 由紀先生 女性医療クリニックLUNAグループ

日本では数少ない女性泌尿器科専門医である。日本泌尿機能学会指導医・専門医。日本東洋医学会指導医・専門医。日本性機能学会専門医。日本排尿機能学会専門医。経営学修士(MBA)。「女性の身体は、全身的に診ていく必要がある」と、婦人科、女性泌尿器科、内科、漢方内科、乳腺科、皮膚科、美容皮膚科、などを揃えた女性医療クリニックLUNAグループを主宰。「自分の体は、自分で守る」の理念の元、女性の生き方に関して「YouTubeるなクリニックch」で配信中。

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『セックスにさよならは言わないで 悩みをなくす腟ケアの手引き』
著者:関口由紀 定価:1650円(本体1500円+税) 径書房

中高年女性の50%が罹患するGSM(ジーエスエム)という女性器の病。
日本では、長い間、話題に上ることも、治療されることもなく、放置されてきたこの病の予防法・治療法を徹底、解説。
実際にセックスをするかどうかは別にして、美と健康を失わずにいるためには、いくつになっても、セックスができる体を維持することが大切です。
「セックスなんて、もうしないから関係ない」と思っていると、知らないうちにGSMに罹患。
気づいたときには、面倒なことになっている可能性があります。
本書には、GSMに罹患しているか、いないかを自分でチェックする、セルフチェックシートを収録。
自宅でできるセルフケアだけでなく、現在、病院で行われている最新の治療や改善方法を紹介。
人生100年時代。女性器を、ほったらかしにしてはいけません!