男子は切なさで、女子は小悪魔性で、神秘性をつくる凄い計算

その中毒性の正体。これは、BTSに限らず、韓国のアーティストは基本全員が知っています。人を引きつける引力の内訳を。おそらくは、DNAレベルで持っているものなのでしょう。

 

まず清潔感。色気。そして反骨系クール。この同居しにくい要素を見事なバランスで併せ持ち、そこに必ず、哀愁を加えてくる……。

昔から、韓国男の音楽的キモは、息入り過ぎのハスキーヴォイスで、切ないメロディを歌うことだったけど、ボーイズグループでもちゃんと切なさを各所に散りばめて、コリアンクールとも言うべき比類のない洗練を作り上げていて、その辺りの調整ぶりは見事というしかないのです。

私などは、「ダイナマイト」のMVにおけるジョングクの“眉間のシワ”にやられてしまったクチで、あの眉間の哀愁に清潔な色気を被せるあたりは、他の国のボーイズたちにはできない芸当。その組み合わせこそが引力を生むって、彼らは本能でわかっているのです。

一方、女子の場合はNo.1であるBLACK PINKもTWICEも、色気、可愛さ、高級感が同量で共存し、コリアンコケティッシュとも言うべき世界に類を見ない“オシャレ過ぎる小悪魔性”を確立させ、それでもちゃんと清潔感があるのがミソ、なんやかんやで合計200パーセントになっているような濃厚さですが、根底に清潔感があるから決して“いやらしく、暑苦しく”ならないのです。

で、男女問わず、彼らの揺るぎない清潔感が、なんだかんだ言ってもやっぱり肌の美しさからきているのは明らか。何を着ても、どんな媚態を見せても、決して汚く見えないのは、肌と髪にあまりに清潔感があるからで、その徹底ぶりには本当に平伏するのみ。

さらに男と女で、アピールするものが違うのは当然のこととしても、憧れやときめきを生む上で不可欠な「神秘性」の作り方が、男女で異なることに注目してください。男子は切なさで神秘性を作っているのに対し、女子は小悪魔性で神秘性を作るというふうに、絶妙に仕様を変えているのも、緻密な計算の上。やっぱり人を惹きつける、本能の成せる技としか思えないのです。

そして言うまでもないことですが、そうした完璧なビジュアルと、完璧なパフォーマンスを全員が両立させていることで、見る者を圧倒。彼らのMVは、明らかに芸術作品です。「歌も踊りもちょっと下手だけど、カワイイから許してね~」という甘えが微塵もない、メンバーも周りも1人としてそういうエクスキューズを持たないのが、韓国ユニットの凄みです。

どちらにせよ、完璧をさらに超え、こちらの予想をはるかに超えてくるから、一瞬で人を惹きつけて離さないという中毒性ができあがるのです。