今、私たちは主体的にキャリアを形成していくことが求められています。

人生100年時代だからこそ、働く時間ややりたいことに費やせる時間も長くなりました。そして、技術が加速度的に進歩した結果、将来の社会を予測することはほとんど不可能です。

働き方についても、これまでのように正社員として働くだけでなく、フリーランスや副業、パラレルワークなどが社会に浸透しつつあり、多様な選択肢が生まれています。

決められたレールに沿ってキャリアを築けば安泰だという時代はもう過去のもの。仕事も家庭も、人生の“正解らしきもの”はもう誰も分からない時代に突入したからこそ、自分の人生の歩み方を自ら考え、選択していくことが重要です。

しかし、いきなり自分のキャリアを考えようと思っても、何から手を付けるべきか分からないという方も多いはず。そこで今回は、厚生労働省が運営する『職業情報提供サイト(日本版O-NET)』について、厚生労働省 職業安定局総務課首席職業指導官室の西浦さんからいただいたコメントも交えてご紹介したいと思います。

 


職業情報提供サイト(日本版O-NET)とは?


職業情報提供サイトとは、求職者の就職活動や企業の採用活動などで活用できる、さまざまな職業に関するデータや情報を掲載しているWebサイトです。

長らく日本の課題である仕事と人材のミスマッチを減らすことを目的に、2020年3月に厚生労働省が開設しました。米国労働省の職業情報データベース(O*NET)になぞらえて、通称「日本版O-NET(オーネット)」とも呼ばれています。

さまざまな切り口から職業の具体的な情報や特徴を調べられます

運営元が官公庁だからこそ、この日本版O-NETには客観的かつ膨大なデータが掲載されています。例えば、紹介されている職業数は約500で、事務・管理職から販売、介護・福祉、医療、技術職、農林水産業とあらゆる領域のものがあります。さらに、雑誌編集者など、各職業の詳細情報を掲載したページには「具体的な仕事内容」から「主なタスク」「就業方法」「各都道府県別の就労関連の統計データ」「類似する職業」「関連する団体のリンク」までを掲載しています。

雑誌編集者で検索した結果。各職業でこのような「しごと能力プロフィール」があります

職業に関するデータベースとして、就職活動を始めたばかりの学生から既に複数の仕事を経験しているミドル世代、これから再就職を考えている専業主婦の方まで、さまざまな場面で使えるサイトなのです。

日本版O-NETに掲載されているのは職業の情報であり求人情報はありませんが、同じく厚生労働省が運営するハローワークインターネットサービスにリンクしており、そちらで具体的な求人票をご覧いただくこともできます。

では、次のページからは具体的な活用方法について、厚生労働省 西浦さんのコメントも交えながらご紹介したいと思います。