イケメンの中に女性が一人……。誰もが夢見る設定!?
そもそも、女性が男性のフリをして紛れ込むなんていう、現実ではありえない設定が、どうして視聴者の心をそこまで掴むのでしょうか。
20代の頃から韓国ドラマ通で、『恋慕』も大好きだという美里さん(40)は、男装ドラマの面白さは“秘密がバレてはいけないハラハラ感”だと語ります。
「『恋慕』の中でも、主人公のイ・フィが本当は女であることがバレそうな危機が何度も訪れました。でもバレてしまったら、王位は剥奪されるし命の危険もあります。だからこそ、いつバレてしまうのかハラハラしながら、『お願い、見つからないで!』と祈るように観ているうちに感情移入してしまい、どんどんドラマにハマっていきました」
確かに『恋慕』を観ていると、主人公が女性であることがいつバレてしまうのか!? というギリギリの展開に何度も翻弄されます。
視聴者は皆、最初から彼女が女性であることをわかっているからこそ、固唾を飲んで次々訪れるピンチを見守っているうちに、ぐいぐいと引き込まれていくのかもしれません。
「あとは男装ドラマにつきものの、男性陣の中に(しかもイケメンのみ)一人だけ女性が潜り込み、結果的に皆からモテまくるという設定ですよね。この状況に憧れない女性がいるでしょうか(笑)」
イケメンたちの間に女性が一人放り込まれ、男性が次々と恋に落ちていき、皆で取り合い状態になる……というのも、男装ドラマあるあるです。
しかもピンチのときには必ず誰かがサッと現れ、主人公を助けてくれるので、いちいちキュンキュンするんです。
私たちは幼い頃から、童話や少女漫画の影響で、「(現実では無理だとわかってるけど)いつか素敵なナイトが現れて、私を連れ去ってくれないかな……?」とこっそり願い続けてきました(私たち……と一括りにしましたが、私だけだったらゴメンなさい)。
そんな風に胸に秘めてきたお姫様願望を、真正面から煽ってくるのも、男装ドラマにハマる理由のひとつ。
男性に守られてばかりじゃない!現代らしいヒロイン
しかし美里さんは、『恋慕』には他の男装ドラマにはなかったポイントがあり、そこに“現代らしさ”を感じたといいます。
「今までのドラマでは、女性主人公がか弱く、男性から見ても“守ってあげたい”キャラが多かった気がします。『恋慕』のイ・フィも、一見小柄で弱々しいですし、実際に男性陣から常に守られてはいますが、実は本人自身もすごく強いというのが印象的でした。
子供の頃から過酷で孤独な人生を生き抜いてきたメンタルの強さ、そして王になる者として育ってきたので武術においてもかなり強い。敵にも堂々と立ち向かい、戦う姿がカッコよかったです。大抵この類のドラマだと、ナヨナヨして守られてばかりいる女性主人公にイライラすることがあるんですが(笑)、イ・フィには苛立ちを感じませんでしたね」
これまで紹介してきたドラマの多くがそうでしたが、最近の韓国ドラマはとにかく女性主人公が強いです。かつては、女性は男性に守られて生きていくのが当然……という価値観だったかもしれませんが、今はそうではありません。
自分の足で自分の人生を歩もうとする女性主人公に、共感やエールが集まる時代となったのを感じます。『恋慕』の主人公イ・フィも、まさにそんな一人でした。
現実ではありえない!と突っ込むのも韓国ドラマの醍醐味
それにしてもさすがに、幼少期から世子(王位継承者のこと)が性別を偽って大人になるというのは無理がある気がしたのですが……。ところが美里さんは、こう語ります。
「『現実ではありえないでしょ!』というツッコミのオンパレードなのも、男装ドラマの魅力のひとつ。ほとんどファンタジーに近い設定だからこそ、エンタメとして思いっきり楽しめるのかなと思います」
美里さんの話を聞いてふと感じたのが、そもそも韓国ドラマは現実からかけ離れた設定が多く、むしろそれがウケているということ。
禁断の恋、不幸な生い立ち、身分の格差、ドロドロの愛憎劇…。やりすぎなくらいドラマティックで、そのぶん観ていて大きく感情を揺さぶられ、中毒性が高いです。
コロナ禍をきっかけに韓国ドラマの魅力にハマったという人が非常に多いですよね。今が辛い時期だからこそ、いっそのこと現実逃避ができるコンテンツが人々に強く求められているのかも…と感じたのでした。
ちなみに余談ですが、『恋慕』でヒロインの相手役を演じたロウンが、あまりにもカッコよすぎると話題にもなりました。ピュアで一途でイケメンで、「こんな風に愛されたい……」と思ってしまうような胸キュンシーンの連続です。恒例のイケメンチェックも楽しみながら、ぜひ『恋慕』をご覧ください。
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