1文字いくらからプロジェクト単位で受注する仕事へ

 

田中:採用ウェブサイトの「Wantedly」では、社員の仕事内容ややりがいについてインタビュー記事を掲載し、採用広報へつなげていますね。ここでライターに求められるのは、面白さや文才ではなく、分かりやすく的確に情報を伝えること。これまでのご自身のキャリアとライティングスキルをかけ合わせることができる仕事の好例です。私が運営する人材マッチングサービス会社「Waris」では、このような人材を「ビジネス系フリーランス」と呼んでいます。フリーランスで仕事をするのは、デザイナーやフォトグラファーといったクリエイティブな職種だけではありません。これまでの仕事の中で得た知識や知見をわかりやすく言語化することができれば、ビジネス系フリーランスのライターとしての仕事が充分にあるんですよね。

バタやん:これまで携わってきたお仕事と書く仕事をかけ合わせて、得意分野を作るということですね!

 

――しかもそういった仕事で社長や採用担当者にインタビューができるのはライターとしての財産に直結しますね。その業界や仕事の構造にとても詳しくなりそうです。

田中:フリーランスとしてのお仕事にはおおまかにふたつのタイプがあります。「ランサーズ」などで探すことができる、1記事いくら、何文字いくらで受ける仕事を「クラウドソーシング型」とか「タスク型」と言います。私が運営する人材マッチングのWarisで紹介するような、例えば「採用ウェブサイトのリニューアル」という一連の案件ごとに数ヵ月~半年単位の仕事を「プロジェクト型」と呼びます。

 

ライターとしてまずは「クラウドソーシング型」のお仕事で実績を積み、長期的な「プロジェクト型」を受注できるようになるのが理想ですね。そうやって知識が蓄積した結果、企画やコンサルティングなど、ビジネスの上流工程の仕事に関わるようになった方もたくさんいらっしゃいます。取材者として内部に入ると、いいところも悪いところも見える。それを踏まえて的確な記事を書いたり、アドバイスができるようになったり。仕事というのは上流工程に関わるほど単価が上がります。企画や戦略を立てるところから入れるようになると、フィーもレベルアップしますから、それも視野に入れてみるのもやりがいにつながりますね。