2月4日は、世界中の多くの人が「がん」について一緒にできることを考え、行動に移す「ワールドキャンサーデー」。この日に先駆け、がん治療の研究推進を支援する活動のひとつとして、がん治療研究を応援するプロジェクト「deleteC」のイベントが開催されます。

 

このプロジェクトの発起人であるのは中島ナオさん。
31歳で乳がんの告知を受け、治療を続けながらもさまざまなアクションを起こすパワフルな女性でした。この「deleteC」の構想はナオさんと、元NHKのディレクターで、認知症の方がホールスタッフを務めるレストラン「注文をまちがえる料理店」などのプロジェクトの発起人としても知られる小国士朗さんが話をしていた時に生まれたとか。

「がんについて考える機会を作り、いつかはがんを治せる病気にしたい」。

次から次に想い描いていたアイデアを形にすべく、そのひとつである「deleteC」は2019年秋に発足させました。

2019年の発足当時の写真。長井陽子さん(左)、中島ナオさん(中央)、小国士朗さんの3人でスタートした。「チームのみんなで大事にしていることは『あかるく、かるく、やわらかく』がんにまつわる今のイメージを変えていきたいんです」(ナオさん)

コンビニやスーパーで「C」が消えている商品を見かけたこと、ありませんか?
私が「deleteC」の活動を知ったのは、まさにサントリーの「C.C.レモン」の「C」文字が消えているのを見たときでした。

「deleteC」は、がん(Cancer)の頭文字にあたる「C」の文字を協賛するブランドのロゴから消して、コンセプトカラーに染めた商品やサービスを提供。その売り上げの一部が、がん治療研究をおこなう医師や研究者・研究機関に寄付される仕組みとなっています。

その当時の私は「自分は元気だし、家族に病気を患っている人もいないから『がんを考える』と言われても、何をどう考えたらいいのかわからない」というのが正直な感想でした。でも、ある日突然、父にがんの疑いがあると知らされ、家族の生活が一変したのです。その後は、父の手術、抗がん剤治療とバタバタと毎日を過ごすことに。

そんな時に、「deleteC」の活動を耳にし、直接お会いして話を聞いてみたいと思うようになりました。

今年は「C.C.レモン」に加えて、「デカビタC」の「deleteCラベル」も限定発売されているそう。街中でこのデザインを見かけたらぜひ、購入してSNSにアップしてください。

ナオさんとともに「deleteC」を立ち上げ、代表理事を務める小国さんは言います。
「2018年11月2日に、渋谷のカフェで中島ナオと一緒に思い描いた『deleteC』の仕組みですが、3年ほどで参加企業数は100社を超えました。毎年9月におこなっているSNS投稿ががんの治療研究の応援になる『#deleteC大作戦』には、2万人近い人々が参加をし、のべ5000万人以上に情報が届けられ、Twitterのトレンドワードにもあがりました」。

本日(2022年1月30日)16時から配信されるオンラインイベント「deleteC2022-HOPE-」は、厳正なる選考の末選ばれた2人のがん治療研究者に対して、過去最高額となる寄付金を届けるそう。
「deleteC」のアクションも「C」の消えたコラボ商品の販売やSNSの投稿だけでなく、たくさんの企業やアーティスト・アスリート・医療従事者などたくさんの人が参加してくれる中で、次々と新しいアクションも誕生しているとか。規模も拡大し、できることも増えてきたけど、「それでも『deleteC』がやりたいことは、これまでもこれからも変わらない」と小国さん。

「わたしたちは、応援しつづける」
「これは『delete C』として、寄付を研究者の方々にはじめてお渡しした2020年2月1日『deleteC2020-HOPE-』のイベントで、中島ナオと僕とで掲げた言葉でした。研究の最前線で奮闘する医療従事者の方に、『研究は5年先、10年先の未来をつくることだ』と聞いた時に、心がぶるっと震えたんです。この言葉を聞いて僕たちは『応援する』のではなく、『応援しつづける』ことが大切だと感じました」(小国さん)。

今年のプロジェクト活動の内容をチェックしてみると、新日本フィルハーモニー交響楽団とコラボしたコンサートや山手調理製菓専門学校の生徒が「C」を消したバレンタイン用のチョコを販売したり。そうそう、「deleteC」モデル寄付つき自動販売機も設置されているそうです。

最後に、小国さんから今後の「deleteC」についてお話をうかがったところ、「今回1月30日の『deleteC2022-HOPE-』には中島ナオはいません。だからこそ、改めてあの時掲げた言葉を、さらに高く高く掲げたいなと思っています。わたしたちは、応援しつづけます。これまでも、これからも。でも、それは『deleteC』らしいやり方でないといけないと思っています」(小国さん)。

毎年多くの企業やブランド・団体が「deleteC」に協賛。
詳細はこちらから>>

 
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