受験の成功体験がキッカケで、専業主婦から幼児教室の経営者へ


3人とも合格させたときにふと、「あ、これ仕事にできるかも」と思ったんです。そして3人目の子どもが小学校に入学してすぐに、自宅で幼児教室を始めました。それが今から12年前。40歳を過ぎた頃でした。

子供部屋が広かったので改装して教室にし、最初は週1程度で開催していました。私自身が子どもを3人国立小学校に合格させている実績と、近所の口コミのおかげで一気に広がり、最初からたくさんの子どもたちが集まってくれて。

週1から週2、週2から週3……と少しずつ回数も増やしていき、元お受験幼稚園の先生だった友人がいたので、その友人と一緒に運営しました。

値段設定は決して高すぎないようにと、おそらく受験塾としてはかなり安い設定にしていましたね。

私自身のモットーが、子どもを叱りつけながら無理やり勉強させるようなやり方は絶対にしたくない、ということ。すぐに我が子を周りと比較して、否定してしまう親って、たくさんいるんです。

「周りの子はできるのに、うちの子はできなくて本当にダメなんです……」なんて言ってくる親がいたら、「それ、子どもじゃなくて親のあなたが悪いんでしょ」とピシャリと叱りつけていました。4歳、5歳の子どもにそんな差があるわけがないのに、そう決めつけてしまうなんて親の勝手。

嫌がる子どもに無理やり勉強させるくらいだったら、私に預けてほしい……という思いでやっていました。私自身、もともと幼児教室の仕事がやりたかったから始めたわけではないし、当時はお金に困っていたわけではなかった。ただ純粋に、自分の子どもの受験を通して、よその子どもたちも合格させてあげたい! という思いが膨らんだから、教室を始めたんですよね

そういう思いを大切にしながらやっていたら、うちの幼児教室の合格率がものすごいことになっていて。そうしてどんどん人が人を呼び、幼児教室は常に満員になりました。

子どもを3人抱え、ある日突然シングルマザーに...。一念発起し、女性経営者になるまでの奮闘_img0
 


突然起こった夫の事故、そして離婚…。


でも実は、その頃から夫婦仲は決してうまくいっていませんでした。

 

元夫は、すごくお酒を飲む人でした。実際に私や子どもたちに迷惑をかけるような出来事も何度もありました。そのたびに「お酒をやめてほしい」と懇願しましたが、どうしてもやめてくれなくて。

彼自身も何度かやめようとはしたんですが、1ヶ月も持たないんです。それで別居することになりました。

こんな風にお酒を飲んでいたら、いつか何か事件や事故が起こるのでは……とずっと思っていました。そうしたら、案の定、大変な事故が起こったんです。