40代になって人生を見つめ直し、「これからは、自分の人生を生きたい」と考え始める人は多いようです。

これまで専業主婦として生きてきたり、夫の扶養に入っている女性の中にはこんな葛藤を抱える人たちも……。

「パートをしているけれど、夫の扶養から抜けて夫と対等になりたい」
「出産を機に仕事を手放したけれど、やっぱり社会の中で自分を確立したい」
「離婚を考えているけれど、専業主婦なので離婚できない」

本連載では「女性の経済的自立」をテーマに、様々な女性の経験談をご紹介します。実際に“経済的自立”を成し遂げた人たちから、「40代で新しい一歩を踏み出すための方法」を教えてもらいました。

3人の子どもを絶対に学校に通わせたい一心で...。50代の女性が「行列のできるりんご飴」を作るまで_img0
 

西野好砂(みさ)さん・53歳に、2回にわたってお話を伺っています。現在彼女は、代官山に本店を構えるりんご飴専門店カフェ「Candy apple」を経営する女性経営者です。

前編では、専業主婦だった西野さんが40歳を過ぎてから幼児教室を始め、軌道に乗っていたところから一転。突然の離婚と、3人の子どもを育てるため必死で働き続けた壮絶な日々を語ってもらいました。

後編では、そこからどのような経緯でりんご飴専門店をスタートさせたのか、50代での挑戦を伺います。

 


ある日突然閃いて……。50代で挑戦した、りんご飴カフェ


母が倒れ、子どもたちの世話や仕事などに追われて本当に忙しい日々を送っていた頃、ある人との出会いがありました。今経営しているりんご飴専門店「Candy apple」の取締役の男性です。

彼は広告代理店の経営者でした。出会った頃は仕事の関係は一切なく、息抜きで飲みに行くような気が合う遊び仲間。でもある時話をしていたら、彼が「カフェやりたいんだよね」と言い出したんです。それで私は「カフェなんてどこにでもあるし、うまくいくわけない」と返しました。

でも彼はやはりカフェをやりたいと言います。それで私も、何かできないか考えてみたんです。

ちょうどその頃、巷ではタピオカが流行っていました。今さらタピオカをやる気はありませんでしたが、タピオカブームって、10年以上前にもあって、さらにその10年以上前にもブームがあって。最近流行ったのが、第3次ブームと言われています。

しかも私、3回のブームを全部見て知っているんです。振り返ってみると、全く同じものが流行ったのではなく、ブームごとにタピオカも進化していました。そこからヒントを得て、昔から人気のあったものを、進化させたら売れるんじゃないかな……と思いつきました。

そもそも私は、甘いものが大嫌い。でも唯一好きな甘いものといえば、りんご飴やあんず飴でした。

子どもの頃、お祭りでよく買ってもらった、あのりんご飴です。お祭りのりんご飴って、決して美味しくはないのに、雰囲気につられてみんな欲しくなって買っちゃうんですよね。そんなに美味しくないから、全部食べきれたことはないですが……。

でも、あのりんご飴を本気で作ったら、意外と美味しいのかも? と閃いたんです。

りんご飴の写真を見ていたら、“インスタ映え”なんて言葉ができるずっと前から、りんご飴って見た目も可愛くて、女の子が欲しがるようなものだということにも気づきました。


そんなことを考えていると、その夜は眠れなくなってしまって……。すぐに友人に「すごいこと思いついちゃったかも……」とアイディアを話したのが、「Candy apple」の始まりでしたね。
 

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話題騒然!おいしく“インスタ映え”する『令和のりんご飴』
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