アラフォー以降に結婚した「晩婚さん」を取材してきたこの連載。今までのインタビューの中から、晩婚ならではのメリットについてまとめてみました。

自分が結婚に何を求めているかが明確なため、後悔が少ない

「晩婚さん」には、ふたつのタイプが存在します。

1. 条件重視で恋愛より安定志向
2. ときめき重視で条件は度外視

どちらもわりと極端なのがお分かりになりますでしょうか。

アラサーくらいまでの結婚だと、「周りがみんなしてるから……」というぼんやりした理由で結婚する人も案外多いと思うのですが、アラフォーからは結婚したい理由が皆さん、とても明確。それはやはり、長年ひとりで自分というものに向き合って来た結果、

・自分が何に耐えられなくて何があれば満足できるのか
・どんな人生もしくはパートナーを求めているのか

というのがきっちり棚卸しされているからなのです。

 

そして40近くまでひとりで生きて来て、わざわざ結婚という形態を選ぶ時点で、「自分が今まで以上に幸せになれない結婚なら、する意味がない」と、ある意味キモが座っている。だから婚活で結婚した方も恋愛結婚の方も、相手選びにブレがない。年収や勤務先などではなく、それ以外の「自分だけのチェックポイント」があって、それさえクリアしていればほかはよしとする、そんな潔さもあります。

この「それさえクリアしていればほかはよしとする」は、晩婚を叶えるための最大のポイントでもあると思います。40代ともなれば目が肥えてしまい、相手の欠点にも気付きやすいし「もっといい条件の人がいるのではないか」と要求がついつい多くなりがち。そこで自分の棚卸しがきちんと出来ていると、選び方に「軸」ができるので、迷わなくなるのですね。

そんなわけで、結婚生活でもその「求めていたもの」が手に入ればそれで満足を感じられる。「足るを知る」ができているのが、幸せな晩婚さんの共通点だと感じました。

「お互い様」と相手を受け入れ、受け流せる


これは皆さんがおっしゃっていたことですが、「若い頃なら許せなかったことが流せるようになった」ため、ケンカすることが少ないそう。お互いに歳を取り人間が丸くなり、受容できる受け皿が大きくなったということでしょうか。

また、長く生きていれば自分とて完璧ではないとわかってくるので、他人の不完全さにも寛容になりますよね。この「受け流す」が出来るようになると、他人との共同生活はグッと楽になります。

晩婚だと年齢的に子供を持つという選択が難しくなり、不妊治療に悩む方が多かったのは事実です。ですが、「中学時代の同級生とアラフォーで再会。急接近のきっかけは...?」の園子さんのように、養子縁組制度を利用するという選択肢も。

固定観念に捉われず、柔軟に自分たちらしい結婚スタイルを作り上げている晩婚さんカップルたちの姿。そこに私は、令和の新しい結婚の可能性を見た気がしました。

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 


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