皆さん、こんにちは。今日もモヤモヤしていますか?

ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをもとに、日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。

今日ご紹介するのは、すっぱり割り切れない人間関係にまつわるモヤモヤです。

八方美人な私が悪いの?人間関係の「ほどよい距離感」の難しさ_img0
 


はっきり言えない私が悪い? ちょっとめんどくさい人に絡まれがちです。


エピソードをお寄せくださったのは、ご自身が生まれ育った街に家族と暮らすレイコさん(44歳・公務員)。
 

生まれてこの方、地元から離れて暮らしたことがありません。近所の人はみな顔見知りですし、異動の少ない職場なので人間関係はほぼ固定。小中高の同級生と、そのまま子供の学校のPTA役員を一緒にやっているような環境です。

この環境のせいか自分の性格のせいか(恐らく両方)、人に強くものを言えないので「ちょっと厄介な人」に構われがちなんです。

愚痴っぽい人、図々しい人、物言いがきつい人……。たとえ嫌な気分にさせられたとしても、仲間外れにしたり冷たくあしらったりすることがどうしてもできません。「言い方はきついけれど、確かに正しいことを言っているし」と良い面が見えてしまうんです。八方美人なのが悪いと言われればそれまでなのですが、人との良い距離感というものをつかめない自分が情けなく思えます。人付き合いが上手な友人からは、つまらないことで悩むねと言われてしまいました。


うーん、なるほど。ご近所づきあいが大事な環境であれば、付き合いにくさを感じる人との関係もなかなかスパッと割り切れないのかもしれませんね。

 


ひっぱったりひっぱられたり。「ほどよい距離感」なんて、幻のようなもの?


「ほどよい距離感でつきあう」という言い回し、よく耳にしますね。でも、そんなことが本当に可能なのだろうか。恋愛において「自分の好き」が「相手の好き」とぴったり同じ大きさになることが稀なように、自分にとっての「ほどよさ」が相手にとって同じとは限りません。

「ロープ相撲」というゲームをご存じでしょうか?

一本のロープの端と端をもって向かい合った二人が、片足立ちになってロープを引っ張り合う遊びです。先に足をついた方が負け。強く引いたりわざと力を抜いてみたり、駆け引きやテクニックが必要なゲームです。

人間関係も似たようなものではないでしょうか。自分と相手の間に渡された関係性のロープは、いつも同じ長さとテンションなわけではない。常に少しずつ、両サイドからひっぱり合われているもののような気がします。

もちろん、面倒くさければロープを手放して、ゲームから降りてしまえばいいだけです。しかし、もしレイコさんが相手との関係をあきらめずに試行錯誤したいと思っているならば、それは全然「つまらないこと」ではありません。

 
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