皆さん、こんにちは。今日もモヤモヤしていますか?

ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをもとに、日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。

今日ご紹介するのは、「褒められているのに、モヤモヤするぞ」なシチュエーションです。

 

「女子なのに、成績が良くてすごい!」


エピソードをお寄せくださったのは、小学生のお子さんを育てるケイコさん(40歳・会社員)。
 

小学二年生の娘が塾で良い成績をとったのですが、「同じクラスの男子に、女子なのにすごい! って言われたよ」と嬉しそうな顔で報告されました。 
小学二年生でそんなことを言ってしまう男の子にも、嬉しそうに報告してきた娘にもモヤモヤ。あまりに驚いて、「成績の良し悪しと性別って関係あるの?」とストレートに言ってしまいました。娘はびっくり顔。

慌てて、「男だから、女だからということはなくて、あなたがコツコツ頑張ったからこそだと思うよ。お母さんも嬉しいよ」とフォロー。丁寧に話した結果、娘も納得したようでした。

ジェンダー問題の根深さを痛感するとともに、「●歳なのにおしゃれ」「ママなのにキレイ」等のような条件つきの褒め言葉ってなんなんだろうと引続きモヤモヤしています。


小学二年生がそんなことを! 社会問題を扱うメディアに日常的に触れていると、社会の風潮が実態よりも進歩しているような錯覚に陥りがちですが、現実はまだまだなのですね……。

 


褒め言葉につく条件には、二種類ある


「女子なのにクラス委員になって偉い」「40歳なのにおしゃれに気を遣っていてすごい」「子ども三人もいるのにキレイ」

気をつけて周囲を見渡すと、「条件つきの褒め言葉」があちらにもこちらにも。ケイコさんが指摘する通り、なぜ人を褒めるのに条件をつけなければならないのでしょうか。

褒める側に悪意がない場合であれば、「褒め言葉を強調したい。より具体的に褒めたい」という気持ちが裏側にあると思います。さらに分解すると、①単に「落として上げている」パターンと②背後にある努力に目を留めているパターンの二つに分けられるのではないでしょうか。

ケイコさんの娘さんが言われたのは、①「落として上げている」パターンのような気がしますね。「女子は勉強が苦手なはず/勉強を頑張るインセンティブがないはず」というバイアスによって「落とされ」、「でも、すごいね!」と上げられる。褒めた側は一旦落とすことによって「褒めの高度」を伸ばしているつもりなのでしょうが、褒められた側からすればなぜか一回しゃがむ羽目になった気分にならないでしょうか。

「子育てや仕事で大忙しのはずなのに、いつも自分らしいおしゃれを楽しんでいて素敵」
「年齢を重ねると代謝も落ちてくるはずなのに、ボディラインをキープしていてすごい」

これらが、②背後にある努力に目を留めているパターンです。ただし、「ママなのにおしゃれだね」「40歳なのにスタイルいいね」とショートカットしてしまうと、①パターンに見えてしまう恐れがあります。

 
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