衝突しながらも絆が深まっていく『DCU』

日曜劇場『DCU』(TBS系・日曜よる9時〜)

水中の捜査に特化した架空の組織「DCU(Deep Crime Unit)」を舞台にしたこのドラマ。隊長である新名(阿部寛)と若手隊員の瀬能(横浜流星)のバディを中心に、DCUのメンバーがさまざまな事件の真相を追います。ただ危険な海に潜るだけではなく、捜査や聞き込みや調査もし、ときには命を狙われる危険すらあるDCUの活動に毎回息を呑みます。

 

新名は瀬能が子どものときに遭い、両親を亡くした海難事故で彼を助けた命の恩人ですが、瀬能が断片的に思い出していく記憶では「新名が裏切ったのでは?」と取れるような場面が出てきて、真相はまだ藪の中。新名を問い詰めても「だったら何だ?」と煽ってくるので、一時はバディ解消の危機に陥ります。

この新名、問い詰められて事実でないことも否定せず「だったら何だ!」と言ってしまうし、人にどう思われるかを気にしておらず、自分のやり方を少々強引にでも貫くので敵が多いタイプ。瀬能だけでなく副隊長の西野(高橋光臣)とも(彼に隊長の座を奪われたことへの不満などもあり)バチバチです。でも新名が誰にどう思われてもいいから必ず真相を掴もうと奔走するさまを見たり、裏では自分を犠牲にしても隊員のために動いていたことがわかったりして、ただ自分本位なわけではないということが周りにも伝わっていきます。ぶつかりながらも築かれていく、彼らの絆にも注目したいドラマです。

今期おすすめの「2人の男」が主役の物語。それぞれが追う事件の真相も気になります。そして何より、みんな最後まで無事でいてほしい……。