温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が、5月27日に発売となりました。新刊から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

同性のパートナーと一緒に暮らす人は、今後もっと増えていきます【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 

女性が女性を好きになる、
パートナーになるのも自由

同性のパートナーと一緒に暮らす人は、今後もっと増えていきます【産婦人科医・高尾美穂】_img1
 

近年、多様性という言葉が広まり、誰かの性的指向や性自認に偏見をもつのは古い考え方だよね、という時代になってきています。

私には昔からゲイの友達がスポーツクラブにはたくさんいましたし、ゲイのカップルで猫を飼って家族のように暮らしている人たちもいました。
また、女性で、勢いで男性と結婚して子供を産んだけれど、同性が好きだということに気づき、男性とは別れて同性のパートナーと一緒に暮らし子育てをしているというケースもありました。
このように、今や性のかたちはさまざまです。

ただ、地方に住んでいたりすると、まだこのような多様性はなかなか受けれられない傾向もあるようです。
たとえば、20〜30代になると親や周りの人から「結婚しないの?」と言われたり、同窓会で自分以外の人たちはみんな自分の子供の話で盛り上がったり。
このような状況が当たり前の社会だったりするので、同性愛の人は肩身が狭く、つらい思いをするものです。

 


同性愛に偏見があった時代に育った世代は、後ろめたさを感じがち


以前、40代後半の女性から「自分が同性愛であることを知られるのが怖くて、どうして自分は普通ではないのだろうと思ってしまう」というお悩み相談を受けたことがあります。
同性愛を隠していることで、どこか後ろ向きになってしまい、これからの人生、どう生きていけばいいかと悩んでおられました。

最近では、YouTubeで情報発信をしている若い女性同士のカップルもいるように、若い人は比較的オープンですが、いま40代後半の女性が10〜20代だった頃は、同性愛に今よりもっと偏見がある時代だったので、自分が同性愛だということを後ろめたく思うのは、ある意味、普通の感覚だと思います。

同性のパートナーと一緒に暮らす人は、今後もっと増えていきます【産婦人科医・高尾美穂】_img2
 

こういった方にお伝えしたいのは、今は難しくても、将来、同性のパートナーと一緒に暮らすことを選択肢に加えるといいんじゃないかなということです。

 
  • 1
  • 2