女優・篠原涼子を作った転機とこれから「自分自身を積み重ねていくと考えれば、年をとるのも悪くない」_img5

 


人生で大切なのは、難しく考えすぎないこと
 

なりたい女性のアイコンでありながら、なんだか一緒にガールズトークをしてきた女友達のように、私たちと一緒に年齢を重ねてきた篠原さん。50代を前にして「年をとる」ということについてはどんなふうに考えているのでしょうか。

 

「楽しくはないですよ(笑)。どうしても老けていきますからね。そんな簡単に年をとることが楽しいとは私は言えないかな」

そう包み隠さず本音で答えた上で、篠原さんはこう続けます。

「でもね、年をとると考えると気持ちは沈んじゃうけれど、自分自身を積み重ねていくと考えれば、悪くないかもと思う。いろんな人と出会ったり、新しい仕事に挑戦してみたり、未知の経験を重ね、自分自身を更新していく。そうすると、まだまだこんなに自分の知らない世界ややったことのないことがあるんだってワクワクするんです。その積み重ねは楽しいなって思います」

そう少女のように無邪気に笑います。

女優・篠原涼子を作った転機とこれから「自分自身を積み重ねていくと考えれば、年をとるのも悪くない」_img6

 

「だから大事なのは、あんまり難しく考えすぎないこと。それは40代も50代も60代もみんなそう。若いときってエネルギーがすごくあったじゃないですか。何も難しいことを考えず、バーッとアンテナが立って、そこに向かってアクションを起こしていた。いくつになっても、あのときの気持ちを忘れないことが大切ですよね」

と、自分でまとめてから、ちょっと照れ臭かったのか、最後にもうひとつ付け足しました。

「と言いながら、いろいろ考えちゃうんですけどね。私も考えがちなので(笑)。本当、なんでも難しく考えちゃう。だからあんまり考えすぎないようにしたいなって。今のは、自分への戒めも込めてです(笑)」

こんなところが、篠原さんがずっと愛され続ける理由なのかもしれません。自分に正直に、楽しいなと思うものに恐れずトライしていく。『ウェディング・ハイ』も篠原さんにとってそんな映画になりました。

「眉間に皺を寄せて考えながら見るんじゃなくて、最初から最後までお腹いっぱい笑って、笑いすぎて涙が出ちゃうんじゃないかっていうような作品になりました。ぜひ何も考えずに、頭を空っぽにして見てください」

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篠原涼子 Ryoko Shinohara
1973年、群馬県生まれ。90年にデビュー以降、歌、バラエティ、ドラマに舞台と多方面で活躍。現在は日本を代表する女優の一人に。主な出演作に映画「北の桜守」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」「人魚の眠る家」、ドラマ『anego』『アンフェア』『ハケンの品格』『ラスト・シンデレラ』などがある。現在、主演を務めたNetflixシリーズ『金魚妻』が配信中。

<作品情報>

映画「ウェディング・ハイ」

新郎・彰人(中村倫也)と新婦・遥(関水渚)の結婚式は、スピーチに人生を懸ける上司の財津(高橋克実)をはじめ、クセ者揃いの参列者たちによって思わぬ方向へ……。さらに新婦の元カレ・裕也(岩田剛典)や謎の男(向井理)まで乱入。“絶対にNOと言わない”ウェディングプランナーの中越(篠原涼子)は、2人に最高の結婚式を贈ることが出来るのか? 3月12日(土)より全国ロードショー。


撮影/塚田亮平
スタイリング/宮澤敬子(WHITNEY)
ヘアメイク/岡野瑞恵
取材・文/横川良明
構成/山崎 恵