©︎le mec/講談社 撮影/KOHEY KANNO

7歳から実家のダンススタジオで踊り始めた大貫勇輔さん。さまざまなジャンルのダンスを肉体に染み込ませ、大貫さんだけのスタイルを確立してきました。また、俳優として数々のミュージカルや舞台、近年はドラマ『ルパンの娘』などの映像作品にも出演しています。そして今年、33歳にして初の写真集『le mec』を発表。その活躍から目が離せません。

 


不器用で目指したい高みに辿り着けないからこそ、努力する。


野性味ある役を演じてもどこか品を感じさせ、繊細さと大胆さが共存するダンスで魅了する大貫さん。ジャズ、モダン、コンテンポラリー、クラシックバレエ、ストリートとジャンルレスに踊ってきたキャリアで、唯一無二の世界を構築してきました。

「僕は好奇心旺盛で、カッコいいと思ったことはすぐにやってみたくなるんです。ストリートダンスは、小学生の時にテレビ東京さんでやっていた『RAVE2001』という深夜のダンス番組で初めて知って、見よう見まねから始めました。実際にやってみるとどれも面白くてどんどんハマって、今があります。

ダンスをやめたいと思ったことは、小学4、5年生の時にありました。月火水木金土日休みなく、週に14レッスンも受けていて、遊びたくなったんです。お母さんに『やめたい』と言ったら、『一度始めたことなんだから、責任を持って続けなさい』と。その通りですし、やめさせないでくれて本当によかったです」

©︎le mec/講談社 撮影/KOHEY KANNO

「ほぼオールジャンル踊ってきた」という中で、当然のことながら、自分にフィットするダンス、苦手に感じるダンスも当然のことながらあります。

「僕はスタイルというものに固められるのが嫌なんだとわかってきました。なので、ヒップホップっぽくも、ジャズっぽくも踊れるコンテンポラリーが、一番フィットしますね。苦手なのはクラシックバレエ。長い歴史の中でしっかり形が決められたジャンルであり、すべてのダンスの根源であるクラシックバレエ。やるなら上を目指したい。だけども、クラシックバレエでの〝上〟は果てしなく遠く感じられて……。ただ、苦手だからこそ今はひたすらクラシックバレエのレッスンをやっています。

昔はいろんなダンスをやる器用貧乏でしたが、今は“ただの不器用”だと、自分自身に感じるんです。経験を積み、自分が目指すところが高くなった分、なかなかそこに辿り着けず不器用だなって。だからこそ、理想に近づくためにトレーニングをやらなきゃと思えますし、不器用であることが、僕が努力するモチベーションになっていますね」

次ページ▶︎ 「僕はちゃんと努力してこなかった」と気付かされた瞬間


大貫勇輔さん、33歳。
鍛え上げられた肉体で見せる大人の色気

▼右にスワイプしてください▼