現在NHK総合で放送されているドラマ『恋せぬふたり』では、アロマンティック・アセクシュアルの男女が家族(仮)として共同生活をする姿が描かれています。
NHKの公式サイトによると、アロマンティックとは、恋愛的指向の一つで他者に恋愛感情を抱かないこと。アセクシュアルとは、性的指向の一つで他者に性的に惹かれないこと。
日常に潜む、恋愛至上主義との静かな摩擦
他者に恋愛感情を抱かず、触れることすらも苦手な高橋一生演じる高橋羽(さとる)と、異性と付き合ったことはあるものの、恋愛感情や性欲がわからずに悩む岸井ゆきの演じる兒玉咲子(さくこ)が、ひょんなことから出会い、共に暮らしながら恋愛感情抜きの家族になろうとするストーリー。
そこで、咲子はかわいがっていた後輩に、好意を寄せていると勘違いされたり、元彼に「気が合ってお互い好きなら、また付き合おう」と言われたり、周囲の好き=恋愛感情という決めつけに悩まされます。さらに、咲子に“普通”に結婚して子どもを持ってほしいと願う両親、すでに結婚して子どももいる妹から、恋愛感情抜きの同居を理解されず、恋愛しないのはおかしい、という目で見られてしまいます。このドラマでは恋愛感情を抱かないふたりと、恋愛至上主義の周囲との静かな摩擦が描かれています。
近年、ジェンダーへの関心が高まるにつれ、セクシュアリティの多様性への理解が高まってきました。同性愛を描くドラマや映画も増えたように思います。しかし、このアロマンティック・アセクシュアルに関しては、まだまだクローズアップされることが非常に少ないと感じています。
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