SATCの続編、『And Just Like That…』の最終回が日本でも配信され、その内容には賛否両論あった模様です。個人的には、やっぱりサマンサの不在は大きかったなあと思うのです。保守的なシャーロット、自己中なキャリー、合理的なミランダと、個性がバラバラな3人をキュッとまとめていたのが、革新派だけど懐が深くて人情派のサマンサだった気がします。

前置きが長くなりましたが、そんなサマンサ不在のAJLTに不完全燃焼を覚えた方におすすめしたいのが、Netflixで配信中の韓国ドラマ『39歳』。『愛の不時着』で一躍時の人となった女優、ソン・イェジンがヒロインを演じる、女同士の友情を描いた物語です。

ドラマ『39歳』で主演を務めるソン・イェジン。写真:アフロ

美容クリニックを経営するヒロインのチャ・ミジョと、演技コーチで、大学時代の元彼との不倫に悩むチョン・チャンヨン、コスメカウンターのセールスマネージャーで恋愛に奥手なチャン・ジュヒ。高校時代から仲良しで家族以上に絆の強い女友達3人組も今や39歳になり、キャリアや不倫など人生の岐路で迷うも、ある日チョン・チャンヨンが末期ガンであることがわかり……というストーリー。

 

女にとって39歳って、変化が起こりやすく悩みも多い年頃(そういえば私が離婚したのも39歳でした)。それぞれの揺れる想いがリアルで、共感したり、身につまされたり。ちなみに3人を演じる女優たちは全員、実年齢も39歳だそう。

SATCのようなキラキラしたマンハッタンの夜景や、コスモポリタンを飲みながらのゴージャスなブランチはないけれど、それぞれの自宅で部屋着姿で缶ビールを飲みながら、お互いを支え合い、ときには耳の痛いお説教も言い合ったりして。その姿が、とってもリアルで温かい。長い付き合いで距離が近すぎる女友達って、ときにはめんどくさいこともあるけれど、アラフォーにとっては家族や恋人以上に自分を理解してくれている、ありがたい存在なんですよね。

私は韓流ドラマ初心者なのですが、びっくりしたのが、どのドラマでも必ず女同士の取っ組み合いのケンカシーンが出てくること。あとは家族でも同性同士でもスキンシップが多いこと。つまりそれだけ喜怒哀楽が激しくて情に厚い、いわばラテン気質のような国民性なのですね。

この作品でも、家族の絆が随所で描かれているのですが、その暑苦しいくらいの仲の良さやお節介なところが、日本人の私には、ちょっとうらやましくも感じました。恋愛でもそうですが、日本人は愛情表現が比較的あっさりしていて愛情があっても言葉にはせず「察せよ」と求める傾向があるので、愛情表現が豊かなのってわかりやすくて憧れます。日本では「重い」と言われてしまいそうな恋人に対する言動も、韓国人男性なら普通のこととして受け止めてくれそうな。

 
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