スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの”愛するモノ”について語ります。


若き日の私はこう思っていました。
ブローチはお金持ちのマダムがするものだと。

嘘をつきました。
実はつい最近まで思っていました、私には関係のないものだと。

 

そもそも今までの人生で触れ合うことがなかったこのブローチというアイテム。
カジュアル時代を生きてきた私にとって大切なのは、抜け感であり、削ぎ落としたシンプルで着心地の良いアイテムです。
例えばTシャツやデニム、スニーカーやビーチサンダルのような……。
このブローチってアイテム、まるで真逆です。
コーディネートを削ぎ落として極力シンプルにしようと思ったら、一番に外すのはブローチでしょう。
だってこれをするだけでどんなに抜け感を出そうと思っても、エレガントになってしまうんですもの。
若き日の私はまだこんな風に思っていたんですねぇ。

シャネルのブローチ/福田さん私物

最初に気になったのはコサージュです。
ブローチ初心者の私の中でまだはっきり区別がついていませんが、よく入学式などフォーマルな場面で使われる生花や造花で作られたのがコサージュだと思っているのですが、あってますかね?(笑)
そんなコサージュきっかけからブローチまで気になるようになり、見よう見まねで付けてみたら、雰囲気が変わるうえに遊び心まであって、最近の私はこんなものを求めていたような気すらしてきました。
なぜなら、タイトルにも書きましたが“時代か年齢か“ーー本当に必要なものを見直したくなったので、ゆっくり時間をかけて断捨離しようと思っているせいなのか、それともみんなこの年齢になったら本能的に好きになるものなのか。

一体人生何度目の断捨離か。
それでも断捨離をすることで新しい自分に出会ってきたのも事実、そしてまた生まれ変わるタイミングなんだと思うのです。
だから無駄には増やさない。
ということは今までの服達を今年らしく着る必要があるわけです。
そのひとつのアイデアがブローチってわけ!

いつものニットもデニムも、ブローチをつけただけで違う見え方をするんです。
堅苦しくてエレガントを毛嫌いしていた時期もありますが、シンプルでかっこいい“大人“でいたいならカジュアルの中にもエレガンスを漂わせるのがおすすめです。
そのエレガンス代表アイテムがブローチってわけです。スカーフでもリップでもいい!
年上の素敵な先輩達との出会いも大きく影響していると思います。
だってみんなブローチ好きなんだもの!
自分のファッションに新しいアイテムが加わったのは嬉しいこと。
なんでも知った気になっていたけど、まだまだ挑戦すべきことがある!
これからもっとお洒落が楽しくなりそうです。
最近の私はイケイケですよ〜(笑)。

 

写真・文/福田麻琴


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