年齢を重ねることは、体にも様々な変化をもたらすということ。シャープさやメリハリよりも、丸みが目立ってきたボディラインもそのひとつ。自然な変化としてありのまま受け入れられればいいのですが、正直、ちょっぴり自信を失ってしまうことだってありますよね。でも、年齢で諦める必要はありません! アメリカのGoogle本社などで指導を行うフィットネストレーナーのSayaさんは、40代からの体と心はさらに輝けると教えてくれます。今回は一時帰国中のSayaさんに「年齢を重ねた体を変える方法」についてインタビューでお聞きします。

 


Sayaさん
フィットネストレーナー。アメリカ・シリコンバレーを拠点に、Google本社のエグゼクティブトレーナーとして活動。そのほかApple、テスラなど最先端企業の幹部などをクライアントに持つ。超多忙なビジネスパーソンを指導していく中で、短時間で理想のボディをつくるフィットネスプログラム「glo(グロー)」を考案。現在は日本に一時帰国し、企業や一般の人向けにgloの指導、および指導者の育成に力を注いでいる。PMA(ピラティスメソッドアライアンス)、ACE Health Coach(アメリカ運動協議会ヘルスコーチ)、全米ヨガアライアンスRYT200の資格を持つ。2児の母。
【Instagram】@glowithsaya


40代こそボディメイクに励んだほうがいい理由


――Saya先生のレッスンを受けるシリコンバレーのクライアントさんは、30代後半〜40代後半が中心層で、中には50代のエグゼクティブの方もいらっしゃるそうですね。特に体の変化が気になり始める40代からのボディメイクについて、Saya先生はどう考えていますか。

Sayaさん(以下敬称略) ボディメイクを始めるのに、40代ってまさにベストタイミングだと思っているんです。40代は家庭でも仕事でも、いろんな経験を積んできている世代ですよね。結婚している方はパートナーとのリレーションシップの保ち方を、お子さんがいらっしゃる方は子どものケアの仕方がわかっている。豊かな経験値や、年齢に伴うEQ(心の知能指数)の高さはボディメイクでも大いに役立ちます。私個人としては、40代は一番美しくなれる世代だと考えているんですよ。

40代半ばの“ミモレ世代”で、2児の母でもあるSaya先生。その引き締まった腹筋とメリハリのあるボディラインに思わずうっとり……!(写真=Sayaさんインスタグラムより)
 

――体力や持久力に自信がなくなってくる40代。「人生の経験値」もボディメイクの強みになるというのは、なんとも心強いお言葉です。

Saya 人生経験が豊富な方は、まず“時間の大切さ”をとてもよく理解しています。ということは、ボディメイクも効率よく継続できる可能性が高い。そして過去に何か悔やんだ経験がある方ほど、これからは悔いを残したくないという思いを持っています。そういった方は、自分の目標に対する集中力があるんですね。効率性と集中力はどちらもボディメイクを成功させるための大切な要素で、40代の方は特にこれらのパワーが強いと感じています。


「鏡」だけでなく「10年後のビジョン」も見る


――Google、Apple、テスラと、世界最先端企業のクライアントにフィットネスを指導するSaya先生。シリコンバレーのエグゼクティブの方たちは、普段どのようにボディメイクと向き合っているのかも教えていただきたいです。

Saya 皆さんに共通しているのは、フィットネスで外見だけでなく、内面も一緒に磨きたいという気持ちが強いことですね。たるんだ体を引き締めたいとか、目の前のことを成し遂げたい願望はもちろんあるんです。でもそれ以上に、10年後、20年後のビジョンを見据えて、いつまでも体と心が健やかでいられるようにフィットネスを活用している方が多いですね。

――ということは、二の腕“だけ”細くしたい、という部分やせ希望の方は少ないですか?

Saya 基本的にはあまりいらっしゃらないです。

――アメリカは“フィットネス大国”と聞きますが、部分やせのニーズは高くないんですね。

Saya ひとつのパーツだけ引き締まっても、他のパーツが引き締まっていなければバランスが悪くなってしまいますからね。アメリカでは、全身運動を行って体全体をバランスよく鍛えるボデメイクが理想とされます。「二の腕をすっきりさせたい」をきっかけにフィットネスを始めるのはもちろんいいのですが、やせたいパーツだけを短期間で何とかしようとすると壁にもぶつかりやすいんです。私が考えたフィットネスでは、自分の体の全体像を見ること、将来のビジョンを描いてボディメイクに取り組むことをおすすめしています。