飼うのは、思いのほか楽ではない!


インコを飼うのは楽だと勘違いしている人は、少なくありません。でも、楽なのは、「鳥かごがスペースをとらないこと」「えさがシードやペレットであること」くらい。それ以外は、他の動物、もしくはそれ以上、大変かもしれません。

何が大変なのかというと、例えば……
・好奇心旺盛で意思疎通をとってくるので、きちんとコミュニケーションをとってあげる必要がある。
(肩に乗っているときに、他のことをしていると怒ることも……)
・素直に言うことを聞かないことが多い。
(セキセイインコに、しつけはできない)
・飛ぶので、手の届かないところに行きやすい。
・放鳥するので、部屋はフンと羽で汚れる。
・インコの種類にもよるが、もともとは温かい地域の生き物なので、寒さに弱い。
(冬は外出中も暖房をつけています)
・チョコレート、アボカドなど、食べてはいけないものが多い。
・アロマディフューザーやテフロン加工のフライパンの空焚きなど、鳥にとっては有害なものが色々とある。
などがあります。

 


インコに快適な環境づくりが大事!


「インコはケージ(鳥籠)の中だけで飼うもの」だと思っている人は多いですが、実際は、鳥の運動不足&ストレス解消のためにも、1日2回はケージから出して、放鳥させてあげることが大切です。
うちのインコは、飼い始めた翌日から「出して~!」アピールが盛んで、出してあげると、それはそれは気持ちよさそうに部屋中を飛び回りました。
そのとき、「あぁ、自由に飛び回りたいんだ。よく考えたら、当然だなぁ」と妙に納得しました。

部屋の中を飛び回るということは、インコにとって危ないものは取り除かなくてはいけません。インコが怪我しそうなもの、食べたらいけない観葉植物、食べ物などを勉強し、危険なものを排除したり、インコのためのスペースを設置したりしました。
部屋はこまめに掃除をしないと、フン(匂いはなく、小さいのですが)と羽だらけになるし、紙の書類や壁紙をかじるので、注意が必要です。

特にドアや窓の開け閉めには十分、気を付けなくてはいけません。インコが外を飛び出してしまうと、2度と戻って来られなかったり、カラスに襲われたりしてしまうのです。


かまってあげることが重要


インコにはちゃんとハートがあるため、放鳥中は私のところに飛んできては、かまってアピールをしてきます。
書籍『鳥のお医者さんのためになるつぶやき集』(著:海老沢 和荘/グラフィック社)には、こういったことが書かれています。

<飼い鳥の多くは一夫一妻制です。ペアの相手に人を選んだ場合は、その人と一緒にいることを好むようになります。(中略)
放鳥中にペアの人がそばにいたとしても、その人の意識が鳥に向いていないと、鳥は不満を覚えます。本来の鳥どうしのペアの場合、ペアの鳥は常にお互いに意識を向けているからです。>

私がパソコンで原稿を書いていると、手の上に乗って、「もっと、俺をかまえ!」と甘噛みしてくることが多々あります(甘噛みとはいえ、ちょっと痛いです)。また、わざと勢いよくキーボードに降り立って、文字を入力してくることも……。
今まで1人暮らしでマイペースに暮らしてきたこともあり、インコを飼い始めのときは、お世話に疲れてしまい、昼寝を必要とするくらいでした。「これは、“2人暮らし”になったな」と思ったものです。

逆に、飼い主のペースでかまいすぎないことも大切です。インコが寄ってきたら相手をしてあげるくらいが、ちょうどいいかもしれません。
 

旅行に行けなくなる!


個人的に一番キツイのは、旅行に行けなくなったことです。これは、インコを飼っている人の共通の悩みです。
1泊2日までだったら大丈夫でしょうが、2泊となると、ペットホテルに預けるしかありません。
ただ、ペットホテルだと放鳥してくれないところが多いので、うちのように放鳥が好きなインコにとっては、かなりのストレスになるでしょう。

最近は、ペット同伴可能のホテルが色々と出てきていますが、基本は、犬、猫向けが多いです。
また、環境の変化にインコが耐えられるのか、具合が悪くなったときにすぐに連れていける病院が近くにあるかどうか、というのもポイントになりそうです。
ストレスで自分の毛を抜いてしまうインコもいるようなので、軽く考えるのは危険。そう思うと、気軽に旅行に行こうとは思えなくなってしまうのです。

でも、私は「飼わなければよかった」とは全く思いません。インコを飼うことで、私自身、インコに教わったことも色々とあります。それについては、次のページで紹介します。