年を重ねて来るにつれて、個人差はありますが、女性も男性も精神的に中性化していく人が増えてくるもの。それは必ずしも悪いことではありません。そもそも、どうして人は中性化していくのでしょうか。


「自分らしさ」の大切さを知り、無理に「女性らしさ」を演じなくなったから

 

フランスの哲学者のシモーヌ・ド・ボーヴォワールの名言に「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」というのがあります。
もちろん性別としての男女の違いはありますが、それ以上に私たちは「女性らしくいなさい」「女性はこうでなくてはいけない」という教育の元に育ってきたところがあります。それはある意味、洗脳であり、呪縛でもあると言えるでしょう。

誰もがその「女性らしさ」と「自分らしさ」が一致するとは限りません。なかには、世の中が求めるような「女性らしさ」と一致しない人はいます。
そういう人が、「本当に女性らしくいなくてはいけないのだろうか?」と疑問を抱いたり、「女性らしさよりも、自分らしさを大切にしよう」と思えるようになったりすると、中性化していくところはあるでしょう。

当たり前ですが、「自分らしくいることが大切」だと気づくことは、いいことです。どんなに社会的地位があろうが、お金持ちであろうが、誰もが羨むような家庭を築こうが、自分らしくいられなければ、幸せにはなれないからです。「自分であること」が、幸せでいるためには重要なことなのです。

 


なぜ50歳に近づくと中性化するのか

「自分らしさが大切」だということを本当の意味で気づくのが、20代なのか、30代なのか、もしくは50代を過ぎてからなのかは、個人差があります。
ただ、時代は変わっても女性は若いうちは、「恋愛、結婚すること、子供を生み育てることこそが女の幸せ」という価値観を抱きがち。それで「男性に選ばれなくてはいけない。だったら、女性らしくいなくてはならない」という思考が働いてしまうことは少なくありません。

だから、その呪縛が解けるのは、「男性に選ばれよう」と思わなくなるタイミングであることは、多いでしょう。個人差はありますが、40代中盤から50代くらいにそういう変化が出てくる人はいます。

だいたいその年齢くらいから、女性ホルモンにも変化がでてきます。働く大人の女性医療メディア「ILACY(アイラシイ)」によると、更年期以降は、女性ホルモン「エストロゲン」が減少し、男性ホルモン「テストステロン」の影響が強くなってくるようです。それも中性化していく要因の1つだと言えるでしょう。
これは、女性に限らず、男性も同じ。男性は更年期以降になり、男性ホルモン「テストステロン」が低下することで、中性化していく人はいます。

人が中性化していくのは、「現代ならではの要因」もあります。次のページで紹介します。

次ページ▶︎ 女性の社会進出で中性化することも

【漫画】「女性らしくいるのってキツかったよね⋯」中性化してきた今がラクな理由
▼右にスワイプしてください▼