人生100年時代と言われて久しいですが、その言葉を聞いてポジティブになれる人がはたしてどれだけいるでしょうか。40代を迎えても、まだ折り返し地点にも満たないということに気づき、道のりの長さにちょっと気が遠くなってしまいそうになる人も中にはいるのでは。

そんな中、現在47歳の国分太一さんは今日も元気です。「楽しんでます、40代を」と語るそのバイタリティの秘訣は何でしょうか。

3回に渡った国分さんのインタビューもこれが最終回。最後は、人間・国分太一の生き方から、人生100年時代を生きるヒントを探ります。

 


おじさんの代表として、もっと人生を楽しんでいきたい


会社を設立したり、自ら企画書を書いて新番組を立ち上げたり。世に言う「ミドルエイジクライシス」なんてどこ吹く風。充実した毎日に対し、国分さんは「楽しんでます、40代を」と20代の頃と変わらないあの明るい笑顔を浮かべます。

「好奇心が枯れるということがないんですよね。この年になって、今までほとんどさわったことがなかったパソコンをいじって、企画書を書いたり、ロゴをつくったりしているのが、その証拠。それが、僕なんだろうなと思います」

50代になることへの恐怖心も「まったくない」とさっぱりとした顔で言い切ります。

「自分でももうちょっと大変なのかなと思っていたんですけど、そこまででもないというか。目は見えなくなってきましたけどね(笑)。心は昔とあんまり変わっていないんじゃないかな」

年齢だけ見れば、いわゆる「おじさん」。そう呼ばれることへの抵抗を聞くと……。

「全然嫌じゃないです。若返ろうとも思わないし。むしろ同世代代表として、おじさんが頑張っている姿をおじさんに見せたい気持ちの方があるくらい。表に立たせてもらっている者として、人生を楽しんでいる姿を見せることが、自分の責任のひとつなんじゃないかなと最近は考えています」

どの世界も世代交代はつきもの。仕事をしていれば自分の椅子を若手に奪われたり、時には自ら明け渡すことを求められる局面もあります。勢いのある後輩に対して嫉妬や競争心を抱いてしまいそうになりますが、国分さんはそうしたネガティブな感情とも無縁のようです。

 

「確かに年齢は上だけど、同じエンタメをつくる者同士。彼らは彼らの努力でここまで来ているので、むしろ尊敬しかないです。みんなそれぞれ僕にはないものを持っているし、時代が違うから僕らのやってきたことが今反映できるかと言ったらそうでもない。だからアドバイスすることもないです。アドバイスなんて、基本的には自己満ですからね(笑)」

つい若かりし頃の苦労や武勇伝を後輩に語りたくなる年齢だからこそ、「アドバイスなんて自己満」と言う国分さんのフラットさに頭が下がります。

「むしろ後輩からは刺激をもらうことの方が多いです。ちょっと前の話になりますけど、まだSnow Manがデビューする前、『滝沢歌舞伎』に出ているのを観に行って。そのときも彼らのパフォーマンスのすごさに『ヤバい、こいつら!』って感動しました。楽屋に行って『お前ら、すごいよ! 今頑張れば絶対デビューできるから!』と話したんですけど、言ってる最中に感極まって涙ぐんじゃって、なに1人で熱くなってるんだろうと思ったり(照)。ジャニーズ事務所のいいところは、ただカッコいいだけじゃなくて、みんなが本気で頑張っているところ。その頑張りに感動したし、僕も頑張らなくちゃと刺激をもらいましたね」