更年期前後の女性が体調不良に見舞われると、更年期障害を疑いがちになります。「喉がつかえる」、「目眩がする」、「むくみがひどい」など、更年期の症状はさまざまなので、不調の何かしらには該当するからです。

更年期障害を疑って病院で女性ホルモン検査をしても、閉経前の乱高下している時期の場合、女性ホルモン値が正常範囲で更年期障害と診断されないことがあります。いくつか病院を回って、ようやく更年期障害とわかったというケースも。

今回は、女性医療専門医・関口由紀先生に、適切な診断をスムーズに受けるために受診する側にできることを教えてもらいました。

 


女性の幅広い疾患の診断は簡単ではない


「私たちの女性専門外来に訪れる患者さんからは、さまざまな診療科を受診しても問題が解決せず、『最後の砦として受診しました』という声を伺うことがあります。診断がつきにくい原因はふたつ。

ひとつは、女性には女性ホルモンの周期的変化があるため、その失調により、いわゆる不定愁訴という症状に陥りやすいという身体的な要因。
ふたつ目は、女性の症状の訴え方は、多分社会的要因によると考えられますが、本当にいいたいことの周辺から訴える人が多いという要因の2つがあると分析しています
」(以下、コメントは関口先生)

更年期障害か、その裏に隠された他の疾患があるのか。受診するときに、早期診断に結びつく患者側の対応があるのではないでしょうか? 

「患者さんがどこの外来にいっても、診断をつけてもらえるようにご自身で工夫することはできると思います。よくある状況は、はじめから説明して、主訴までなかなか辿り着かない点。全てが並列になりがちで、伝わりにくい。

すると原因がわからない不定愁訴だと予想され『ストレスか更年期障害でしょう』と診断されてしまう傾向があります。一番困っている症状から伝えましょう。

またご自身が不定愁訴を更年期障害と決めつけないことも大事です。これは患者さんだけでなく医師側にも言えます。女性ホルモンが劇的に変化する更年期に、他の疾患の症状が隠れてしまう可能性を認識しましょう」

 
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