閉経から時間が経ったら、
そんなに受けなくてもいい検査があります

 

婦人科検診を定期的に受けている方に、閉経後もずっと受けたほうがいいの? と聞かれることがあります。
閉経後に腟が萎縮していくと、子宮頸がんや子宮体がんの 検査のときに痛みを感じやすくなることもあるので、こういう質問があるんだろうなと感じます。

 

まず、子宮頸がんの検査についてですが、子宮頸がんは、性交渉によってHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することが原因で発症するので、リスクが高いのは性交渉がアクティブな年代です。 
今までにHPVに感染したことがある人で、異常が指摘されている場合は、閉経後も検査を受けたほうがいいですが、そうでなくて、パートナーとの性交渉もあまりないなら、子宮頸がんのリスクは低いので、検査は絶対に受けたほうがいいわけではなくなっていきます。
ただし、いちおう20歳以上の人には子宮頸がんの検査は推奨されているので、2年に1回くらいは受けていただけるといいと思います。

 

一方で、子宮体がん検査に関してですが、子宮体がんは、閉経前なら生理ではないときの不正出血、閉経後なら出血があることがサインなので、そのような症状がない場合には、つらい思いをしてまで受ける必要はありません。

その代わりに、経腟超音波検査を受けておくといいでしょう。
経腟超音波検査は、子宮や卵巣の大きさや形に問題がないかを調べる検査で、子宮頸がんや子宮体がんの検査のように、腟を広げるクスコを入れたり、細胞を採取したりしないので痛みなどはあまりなく、体にはそれほど負担がありません。

経腟超音波検査で、閉経後なのに子宮内膜が厚くなっていたりしたら子宮体がんの可能性も考えられます。

 
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