幼心にも、厳しい時代であったはずの子供時代

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

愛子さまも、特別な環境にあると言うだけでなく、母・雅子妃の体調不良、宮内庁やマスコミの反応など、現在の天皇家には厳しい時代が続きました。感受性の強い愛子さまも、幼心に何らか感じていたに違いなく、そう思うと何か胸が痛みます。

 

だからこそ、重い宿命を持って生まれた愛子さまがこんなにも真っ直ぐに、穏やかで心優しい女性に成長されたことは、そうしたことを振り返れば感動的でさえあります。

あの会見を見ながら目頭が熱くなったという声もよく聞くけれど、それは愛子さまが生きた20年間のさまざまな出来事をだぶらせてのことだったのでしょう。ある種、過酷な環境にあったからこそ、その清潔な精神性に心を動かされ、ジーンとしたわけで。隣室で聞いていらしたという雅子妃もさぞかし、と思うのです。

私たちにとって皇室とは、何なのか? 改めてそう考えたとき、“象徴”という定義のみならず、やはり“人としての規範”をそこに見ていたいという存在なわけです。愛子さまが早くもそこに到達されたことに気づいたからこそ、あの会見を多くの人が感動を持って見つめたのではないでしょうか。

そんなふうに考えれば、この人たちに憧れることに、じつは何のためらいも後ろめたさも感じないのです。

こんな女性になれたら。それこそ「何を今更」と思う一方で、若くして素晴らしい人格を持った人たちの未来を想像するにつけ、辛いことが多い世の中でも、何か少し前向きになれる気がするのですが、どうでしょうか。