ミモレ読者の皆さま、はじめまして。
ブランディングディレクターの行方ひさこです。

この度、ミモレで書かせていただくことになりました。

たまにスナップには出させていただいていましたが、ほぼはじめましてですので簡単に自己紹介を。

 

長らくファッション畑に席を置いていましたが、最近では食や工芸、地域の活性化などローカルとテーマに幅広い分野で活動しています。作り手の想いを伝え、地域からメーカまでブランドの向かうべき方向性を示しつつ、コンセプトを作ったり商品開発をしたりと、畑は変わってもブランドを創るお手伝いをしています。時間を見つけては、前々から興味があったモノづくりの現場を訪れ、取材をして記事を書いたりもしています。

 


そして、昨年から新宿伊勢丹にて「時」という企画展の企画&キュレーションもさせていただいています。 

この企画展は、「時」を繋いできた技術、「時」を経ても愛される美しいものたち、「時」と共に変化を楽しみながら使い継いで行きたいものなど、器や工芸品を中心にセレクト。長い間、陽を浴びずに眠っていたものの中から、新たな価値を見出すべく、現地に選びに行ったデッドストックや骨董などもラインナップしています。

図らずも、「もの」のキュレーションをすることになったのですが、元々、自分の身の周りに置くものは、全て「これでいい」ではなく「これが、いい!」で選ぶタイプ。

小学生女子は赤いランドセルが常識な世代でしたが、「なぜ女子は赤なのか、きちんとわかるように説明してくれないのなら、赤にはしません。」と淡々と親を説得し、ネイビーのランドセルにした上に、お習字や絵の具など全ての道具を「誰かに決められたものを使う必要性がわからん」と自分で作ったり買いに行ったりしてしまうという、幼少期からかなり我が強いタイプでした。

 

「もの」の使い方って人への接し方と似てるんじゃないかなって思っています。

「もの」とどう付き合っていけばいいのか。
自分にとって価値があるものは何か。

使って、共に過ごして、慈しむ。

価値があるものを選ぶことはとても大切ですが、どれだけ高価なものでも向き合う自分が釣り合っていなければ、ただの飾りになってしまいます。

「何を持っているのか」ではなく、「何とどう付き合いながら暮らしていくのか」が重要なのかなと。単なる物欲や見栄ではなく、その先の自分の感性や価値観へと繋がる、「もの」も自分も生かして心地よく豊かな時間を過ごす、そんな経験を提案していけたらいいなと企んでいます。

 
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