『マイファミリー』は、どこに転ぶか分からないから面白い!


明らかに、夫婦の関係は冷え切っている。けれど、温人は“家庭人”のイメージを、未知留は“安定”した生活を手放せずにいます。唯一の命綱である娘・友果(大島美優)の存在も、離婚を止める要因のひとつなのでしょう。このままでは、友果の就職を機に、熟年離婚してしまいそう……。

 

ただ、幸せではないけれど、大きな問題が起きることもないんですよね。そんな鳴沢家の生活は、娘の友果が誘拐されたことで一変します。身代金の要求額は、5億円。さらには、「警察を排除しなければ、友果を殺す」と言われてしまう。怯えた夫婦は、2人だけで誘拐犯と立ち向かう決意をしますが、星を挙げることにこだわる警察は、手を引こうとしない。

「家族 vs 誘拐犯」「警察 vs  誘拐犯」はよくあるけれど、「家族 vs 警察」の対立構造が出てくる作品は、あまりないですよね。警察を排除するために、ネット配信を通して世間に呼びかけるのも、令和らしくて新しいなと思いました。

一見、考察ドラマのように見えますが、それにしてはあまりにも展開が早すぎる。だって、第3話の予告で“鳴沢友果ちゃん誘拐事件完結編”とテロップが出ていたのです。第1話から、スピーディーに物語が進んでいくので、これは誘拐事件だけで全話引っ張るわけではないんだろな〜と思っていたけれど、まさか3話で完結するなんて……。視聴者を飽きさせないさすがの構成です。

 

友果を誘拐した犯人など真相が知りたいことは山ほどあるけれど、このドラマがどう転んでいくのかがいちばん気になる……。『マイファミリー』というタイトルから察するに、誘拐事件を経て、変わっていく家族の形が描かれていくのでしょうか。日曜日の夜が、待ち遠しい!
 

 


前回記事「『ソロ活女子のススメ2』令和らしい“おひとり様”。「一人行動=友達がいない」ではない」はこちら>>

 
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