日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、頑張っている人を揶揄する言葉「意識高い系」にまつわるモヤモヤです。

 


「あれ、あなたって意識高い系だったのね!」


エピソードをご紹介くださったのは、小学生と幼稚園生のお子さんを育てるエイミさん(43歳・主婦)。

下の子も来年には小学生。8年近く専業主婦をしてきましたが、そろそろ社会復帰したいなと思うようになりました。

家庭と両立させて長く働きたいので、色々情報収集し、在宅でできる事務仕事やWebライターなどを選択肢として考えています。パソコンスキルを学ぶ講座やライティング講座を受講してみたり、同世代の働く母が集まるコミュニティに参加してみたり、少しずつ準備運動をはじめている状況です。

けれど先日、ママ友グループにお茶に誘われたときに「オンライン講座があるから参加できない」と言ったところ、そのうちの何人かに変な目で見られた気がしました。後日それとなく聞くと案の定、「エイミさんって意識高い系だったのね」と言われていたそうです。私の住むエリアは都会ではないので、オンライン講座などがあまり浸透していないせいもあるかもしれません。

その後も集まりのたびに、「講座っていくらかかるの?」「事務仕事にそんな勉強する必要あるの?」「在宅ワークでそれなりの収入もらえるの?」としつこく聞かれます。

私としては世界が広がった気がしてとても楽しんでいます。でもそれを伝えるとさらに色々聞かれる気がして、「確かに勉強する必要ないかもね~」なんて適当に答えてしまいました。

 

チクチク攻撃するのは、「友人に置いていかれる」寂しさを感じているから?


“意識高い系”って、なんだかネガティブに使われがちな言葉ですよね。「張り切っちゃってどうしたの?」とからかうニュアンスを感じます。「意識が高い」って本来良いことのはずなのに。

エイミさんのママ友さんは、「オンライン講座」「復職」「在宅ワーク」といった自分に馴染みのないワードを聞いてびっくりしてしまったのかもしれませんね。同じ年ごろの子供を持つママ同士という共通点でつながった友だちとは、似た境遇・似た悩みで盛り上がれる一方、違いを見つけた瞬間にピリッとすることがあるのかも。

これまで「私たち、仲間だよね」と思っていた相手が自分の知らない世界に行ってしまう。自分が置いていかれる気がしてしまう。そんな寂しい気持ちが、ママ友さんにちょっと攻撃的なもの言いをさせてしまったのかなと思いました。

 
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