温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が、5月27日に発売となります。新刊から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

不安を少しでも減らして、楽に生きていくコツとは!?【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 


考えても答えが出ないものは
考えない

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私はよく、「10年後の自分のために、今できることをしましょう」というようなお話をしますが、以前、取材を受けてそんなお話をしていたときに、編集者の方から、「来月のこともわからず、不安でいる人が多いんですよね」と言われて、ハッとして、確かにそういう人が多いんだろうな……と思ったことがあります。  

そのときは、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって間もない頃。
多くの人たちが、「この先、どうなっちゃうんだろう」……という先の見えない不安や心配事を抱えていたこともあって、そんな言葉が出てきたのだと思います。 

 


自分でコントロールできないことを長く考えても答えは出ない


こういった不安に対して私が思うのは、自分でコントロールできないことについて考えることに、長い時間を割かないほうがいいということです。
それよりも、自分がコントロールできる範囲のことを具体的に考えるほうが大事だと思うのです。 

不安を少しでも減らして、楽に生きていくコツとは!?【産婦人科医・高尾美穂】_img2
 

たとえばコロナ禍がこの先どうなるのかということのように、自分でコントロールできないことを長く考えても答えは出ませんし、不安が募るだけです。
考えれば考えるほど、「これから世界はどうなっていくんだろう?」とか「将来、自分の仕事はどうなるの?」とか、世の中が不安だらけに見えてきます。

もちろん、仕事のことは自分の生活と直結するので、考える機会を持ったほうがいいことは確か。
でも、自分がコントロールできる範囲のことを頑張っておけば、「その先のことは仕方ないよね」と思えるものです。
そんな考え方を持つのも、楽に生きていく方法ではないでしょうか。

では、自分でコントロールできる範囲で何ができるのかと言えば、たとえば、今日の夜しっかり寝る、明日の朝ちゃんと起きる、朝ごはんを食べる、明日の予定をきちんと終わらせるなど。
自分でコントロールできることをちゃんと終わらせることが、 私たちにできる一歩一歩だと思います。

 
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