消防庁によると、2021年の救急車による救急搬送の件数は、全国で619万3663件。中でも高齢者の搬送は61.9%と高い割合を占めています。今回話を伺う美香さんの義父も、先日救急搬送されて、当事者の立場になって初めて「やっておけば良かったこと」に気がつきました。早速話を伺ってみましょう。
義父が救急搬送、その時何が?
夫の父は要支援2ですが、まだまだ介護施設に入るような状態ではありません。買い物も1人でできるので、住み慣れた都内の家に1人で暮らし、近くに住む子どもや孫たちがたまに様子を見に行く程度で長年やってきました。ただ、義父は膝が痛くて長時間立ち続けることができないため、掃除や洗濯だけは訪問介護を利用しています。
義父は高血圧と糖尿病で長年医者にかかっており、一度に7〜8錠の薬を飲んでいますが、ある時テレビを見ながら薬を服用したところ、誤って薬と一緒に薬包を飲んでしまったようなんです。薬の包み紙を飲み込むなんて普通に考えたら信じられないことですが……。
その時はちょうど訪問介護のヘルパーさんが来てくださっていて、息苦しさを訴え青白い顔をしている義父を見て、ただごとではないと救急車を呼んでくださいました。本当に運が良かったとしか思えません。誰にも気づかれなかったら今ごろどうなっていたことか……。
ただ、困ったこともあったのです。救急隊の方がヘルパーさんに情報確認をしたようですが、すぐに正確なことを答えるのは難しく、ご迷惑をかけてしまいました。幸い義父の意識があったので、ヘルパーさんには同乗していただかず、私が搬送先に向かうことになりました。でも私が家にいたとしても、うろたえて何も答えられなかったかもしれません。事前に何か備えておけることはあったのでしょうか。
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