「40歳から64歳までの特定疾患の患者」と「65歳以上の要介護・要支援状態の高齢者」が、1〜3割の自己負担で受けられる介護保険サービス。デイサービスでのケア、自宅における食事や排せつの介助など、一見至れり尽くせりの仕組みのように思えます。ところが介護保険は多くの人が利用するため、人気のあるデイサービスは毎日通えず譲り合わなければいけないという現実も。今回の相談者・さとみさんも、介護保険サービスだけで今後両親が暮らしていくのは難しいかも……と感じるようになっていました。話を聞いてみましょう。

 


介護保険サービスだけでは100%補えない?


私の両親は要介護1ですが、それほど介護度も高くないので、デイサービスにお世話になる程度で何不自由なく暮らしてきました。昔からのご近所さんたちも同じデイサービスを利用しているようで、習い事感覚で楽しみながら通っているとよく話していたんです。

行けば栄養価の高いしっかりした食事を出してくださるので、私としてはそういった面でも安心していました。お世話になっている事業所は介護の質も高いですし、何より介護保険が適用されるので利用料も安くて助かります。ところが最近、デイサービスだけでは不安なことがいくつか出てきて……。

これまで通っていたデイサービスは人気が出てきたのか、最近は週に2、3回しか通えなくなったと両親が言うようになりました。楽しみが減ってしまったようで2人はどことなくしょんぼりしていますし、デイサービスに行けない日の食事も気がかりです。

気になっているのはそれだけではありません。実家は一軒家で庭もあるので、放っておくとすぐに雑草だらけになってしまいます。さすがに足腰を酷使する草むしりを両親にやらせるわけにもいかず、気づいたときに私がやっているというのが現実です。

介護保険制度はとても助かりますが、高齢の親が生活を続けるためには足りない部分があるんですね。実家は埼玉の大宮、私は都内に住んでいるので通えないことはありません。だけどできれば人の手を借りながら、これまでと同じような暮らしを続けていきたくて、私はこれからどうすればいいのでしょうか……。

 
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