救急隊員が必要とする情報は?


高齢者の搬送原因の多くは転倒ですが、美香さんの義父は誤飲が原因でした。いずれにしても、急を要する搬送者の情報確認。救急隊員は、現場に到着した時どのような情報を必要とするのでしょうか。

 

救急隊員は、これらの情報確認を平均12分で完結しています。しかし時には間違った病歴やかかりつけ医療機関を聞き、病院搬送後に判明することもあるといいます。

 
 


正確な情報を伝えるために「救急医療情報キット」を


では、いざという時のために私たちは何をしておくべきなのでしょうか。必要な情報を記載したメモを固定電話の近くなどに貼っている方もいるかもしれませんが、こんな時に便利なのが、自治体などが配布する「救急医療情報キット」です(注:配布の有無は自治体によって対応が異なります。事前に確認してください)。

救急医療情報キットは、自宅で具合が悪くなって救急車を呼ぶ時に備え、かかりつけ医や服薬内容などの医療情報を入れた容器を冷蔵庫に保管し、すばやく適切な救急活動に役立ててもらおうというもの。

かけつけた救急隊員がすぐに救急医療情報キットを探し出さなければいけないため、設置場所として最適なのが冷蔵庫です。ほとんどのお宅の冷蔵庫は台所にあるので、キットがどこにあるのか一目瞭然。また、地震で家具が倒壊しても、冷蔵庫は潰れにくいため、キットを取り出しやすいという利点もあります。救急医療情報キットを用意したら、キットがあることを示すステッカーを冷蔵庫のドアに貼っておきましょう。

 

救急情報には、緊急連絡先、かかりつけ医、緊急時の対応情報、持病や既往症、アレルギーなどを記載しておきます。


「救急医療情報キット」はどこで入手できる?


救急医療情報キットが入手できる場所は自治体だけではありません。Amazonや楽天などのECサイトでも500円前後で販売していますし、ペットボトルや百均の材料で作った自作のものでも構いません。

 

高齢者等を対象に救急医療情報キットの無料配布を行っている自治体も多いので、気になる方はぜひ問い合わせをしてみてください。高齢者以外は無料配布の対象ではないかもしれませんが、一人暮らしの現役世代にもおススメです。本人だけでなく、家族も安心感を得られるキットとして、活用してみるのはいかがでしょうか。
 

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写真/Shutterstock
構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
編集/佐野倫子

 

 

 


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