温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が、5月27日に発売となります。新刊から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

無理なポジティブ思考より、「まーいっか」思考を 【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 


「まーいっか」と思うことを増やそう

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不安や落ち込みを感じやすい人に対して、よく「ポジティブ思考」がすすめられるので、ほとんどの人が、そうすべきだと信じていると思います。

もちろんポジティブに考えられるような状況なら、そうしたほうがうまくいくことが多いでしょうが、ポジティブに考えることが難しい状況なら、私はそうしなくていいと思います。
なぜなら、それは無理をしているからです。

 


ポジティブ思考は、自分に無理をさせてしまうことも


ポジティブにならなきゃと思うようなときは、何かの問題に直面しているとき。自分が今できていないことや、今迷惑をかけている人のこと、その問題の原因や解決策など、いろんなことを考えて頭の中がごちゃごちゃになっている状態で、とても前向きになれないのではないでしょうか。

そこにさらに「前向きになろう」という気持ちを加えると、自分に無理をさせることになりやすいのです。
ですから、ポジティブ思考になれないような状況のときに、無理をする必要はないと思います。

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「まーいっか」は、悩みの原因や悩むこと自体を手離す選択


私自身はどうかというと、よく人から「前向きだよね」と言われますが、実際には前向きになれないこともあり、日常生活の3〜4割は、「まーいっか」という気持ちが占めています。
「まーいっか」というのは、悩みの原因や、悩んでいること自体を、自分の手から離してしまう選択です。
そうするほうが、自分が本当に悩まなければいけないことが見えてきますし、いったん時間をおくことで感情的になっていた部分も沈静化し、怒りや悲しみ、悔しさなどの気持ちが落ち着いていきます。
ですから、「まーいっか」と考えることは、次に進むための大切なひとつの選択肢だと思うのです。

 
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