こんにちは、ブランディングディレクターの行方ひさこです。

ものぐさなわたくしの日々のこと、身の周りにある「もの」や「ものとの付き合い方」などゆるゆると綴って参ります。

今回は、最近譲り受けた曽祖父が来客時に使っていた香蘭社のティーセットにまつわること。

「モノとの付き合い方=人との付き合い方?」曽祖父のティーセットについて思うこと_img0
 

まだ祖父が存命の頃は、月に1度は祖母と私と3人でちょっと贅沢なランチデートをするのが習慣でした。頻度はまちまちでしたが、私が20代の頃から20年以上は続いていたと思います。

 

祖父が働いていた時によく仕事で使っていたレストランを巡ってみたり、思い出のホテルでお茶をしたり、たまに食材を買って「韓国フェア」や「スペインフェア」など二人が食べたことのない国の食事を作ったりと、一緒にいる時間をできるだけ楽しいものにしたいので色々考えていました。普段から企画を立てるのがお仕事なので、ここはかなり本気で挑んでいましたね(笑)。

このブルーが美しい少しラブリーなティーセットは、ランチの後2人を実家に送った時に、祖母が入れてくれるお茶をこのセットで楽しんだり、大切な来客の特に使っていたのを何度か見たことがあるので私にとっても思い出のあるものです。

「モノとの付き合い方=人との付き合い方?」曽祖父のティーセットについて思うこと_img1
 

こちらのティーセットは、有田の地で300年の歴史がある老舗メーカー香蘭社のものです。

有田の焼き物は、日本初参加となった1867年のパリ万博、1873年のウィーン万国博覧会には藩や政府の援助で出品され好評を博しましたが、1876年のフィラデルフィア万博は自費出品となったため、資金力のない有田の人々は出品を躊躇しました。

この香蘭社というメーカーは、フィラデルフィア万博に向けて、欧米に倣った貨車組織を作ろうと有田の有力窯元と職人、商家とで設立した日本における最初の会社組織です。

名前は、「君子の交わりは蘭の香りの如し」という中国の易経から取ったものだそうです。心を1つにすれば、その力は金鉄をも断ち切る鋭さを持ち、その言葉は蘭のごとき麗しい香りを放つものになる、という意味。

合同組織香蘭社として参加したフィラデルフィア万博にて、有田焼は高い評価を得ます。それを機にアメリカへの輸出が始まりましたが、経営方針を巡る対立が起き、長くは続かず社長の単独経営となり現在に至ります。

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サイトによるとこのティーセットは、昭和20年代後半にかけて長崎県佐世保に駐留していた米軍の販売所の要請によって製造された商品に使用されたもの、または海外輸出用に作られたもののいずれかのようです。

 
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